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2024-03-08 00:00
日本の少子化は世界の注目となっていても何もしないのか?
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
日本の少子化が進み、出生数の現象が全く止まらない状態である。そもそも今の若者は結婚をするということもあまり選択肢にないようであるし、子供を育てるということもあまり考えていない。それどころか、子供は煩わしいと考えているようなところがある。実際に経済的に子供を育てたいと思えなかったり、または日本の制度的に将来に不安しかないようなところが少なくない。その様なことは、今も昔も変わらないのであるが、現在の世代は自分の権利意識ばかりが肥大化してしまっているので、自分の将来のことについてあまり考えられていないのではないか。正直な話、子供がいなくなるという事、自分の周辺で子供を産まないということは、そのまま自分たちが年齢を重ねた時に日本という政府で財政的にその老人を支えることができなくなり、結局は、今の若者が年を取った時に苦労をするということになるのである。
さて、では経済的にそんなに苦しいのであろうか。いや、私はそうは思わない。そうではなく「経済的に苦しいような構造にしてしまっている」ということではないか。先日の話、ある若者が「金銭的に苦しい」という。生活を聞いて見ると「スマホ代」「通信ゲーム課金」などがあり、また、食事に関しても「ウーバーイーツに頼んでいる」という。はっきり言って「何を言っているのか」ということになる。便利な生活になるということは、それだけ「本来自分がやるべきこと(またはできること)を他人に任せる」ということになる。当然に、他人が自分のために動くのであるからその分コストが必要になる。要するに「便利になった分、資金が必要になる」ということなのである。昔、といっても私が生まれる前の世界は、例えば食事は自分で作っていた。つまり原材料費だけの出費であった。しかし、現在宅配でどこかから出前(出前という単語も死語になりつつあるが)ということは「少量を提供する店」と「出前をする人」二つの人々の経費と利益を余分に払っているということになる。単純に、サンドウィッチを自分で作れば、キャベツやパンで一人前は数十円から数百円、しかし、パン屋で買えば3~400円。そしてウーバーの配達料金がかかる。それだけ様々な金額を日常的に払っていれば、たりなくなるのは当たり前である。それならば自分で食事を作ればよい。その様に経費をかけない生活の努力で「サービスを使う」ということができないということになる。
少子化問題といえば、「若者を保護する」という事ばかりの政策になり、「若者を育てる」「考え方を変える」というような事はしない。世の中「多様性」なのであり、その行動を強制したり、方向づけるというようなことはしないようになっている。つまり、単純に金銭を渡すようなことしかせずに、現状の考え方などは全く変えない。現状の生活が変わらない状態であれば、「子供が増える」つまり、法律的に言えば「自分が保護責任者になる」という義務を生じることが全く考えられないということになるのではないか。そのうえ、今のテレビ番組などでは「おひとりさま」などという単語を使い、子供がいることなどの素晴らしさを伝えるものが全くないということになる。その様に考えると、「政府」と「マスコミ」が、現在の少子化を作り出しているといって過言ではない。
マスコミは、キャリアウーマンをかっこよく書いたり、一人でいることを肯定するような番組を作り、「多様性」と言いながら、片方、つまり女性が一人で社会で活躍する、1970年代にウーマンリブといわれた内容の方向に向かっている。同性愛を含めた政敵マイノリティーもそうであるが、基本的には「認めない」とか「好きではない」というような「思想の自由」も多様性の中に入るはずなのであろうが、その様なことを言えば「差別主義者」などというような状況になる。本来の多様性を実現しているのではなく、「多様性という言葉を使って、一つの方向に向かわせている」ということなのである。その方向性が「少子化」を作っている、セクハラ・ジェンダーハラスメントなども含めてそのような状況になるし、また、便利な世の中を実現するということから、自分で料理を作ることなどの価値観を作らないでいるのである。
その様な「価値観の変更(ある意味で回帰ということになるのかもしれないが)」を行うことが、最も重要なのではないか。その様な政策やマスコミを含めた対策を行わなければならない。まさにそのようなことを行わなければ「国難」を避けることはできないのではないか。
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