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2024-05-01 00:00
日本を狙う中国―尖閣や沖縄だけではない
赤峰 和彦
自営業
あなたは、習近平率いる中国共産党が「産業の覇権国」となるために、今、最重要視しているものを知っていますか?M&Aや企業の事業再生支援といった実務と並行して、国家の経済安全保障について専門的に研究を行ってきた経済安全保障アナリストと議論したので、その内容を紹介します。
中国共産党が今一番欲しているもの。それは、スマホや自動車といった家庭レベルから、 人工知能開発やミサイルなどの国家レベルの工業品まで欠かせない、現代社会においては必須と呼ぶに相応しい、あの希少資源・半導体です。半導体が作れない国は滅ぶ──。「産業のコメ」と呼ばれ、産業発展の一翼を担ってきた半導体。今や「国家のコメ」となりました。半導体は、2030年までに2020年に対して2倍となる100兆円規模という超巨大マーケットへと成長するとされるだけに、その市場を制した国家は大いに繁栄すると思われます。加えて、半導体はクルマや家電だけでなく、インフラやサイバー攻撃など安全保障においても欠かせない。それだけ重要なキーパーツであるにもかかわらず、最先端の半導体を作れるのは台湾など一部の地域だけに限られているのです。ゆえに、半導体は「21世紀の原油」と呼ばれる希少資源。世界が国家ぐるみの半導体戦略を構築するに至っています。
その希少資源・半導体に関して、世界でも最先端の技術を多く有する日本は、まさに中国に狙われ、脅威に曝されています。意外に思われるかもしれませんが、中国が世界の覇権を握るために求めている希少資源を、日本はすでに手にしていたのです。事実、この海外に勝る技術を有する状況は、日本経済に再び火をつける種になるとも言われていました。しかし、中国に奪われてしまってはそれも叶わぬ夢と散ってしまいます。日本政府が中国共産党に乗っ取られるのも、時間の問題かもしれません。というのも今、中国企業「国家電網公司」のロゴマークが入った資料が、内閣府のタスクフォースで提出され、大問題となっているのです。
「国家電網公司」とは、中国国営の電力配送会社です。世界最大の電力会社と称されることもあり、太陽光発電や風力発電といった新エネルギーに力を注いでいます。実際に、ロゴマークが入った資料が見られたのも、「再生可能エネルギー導入」に向けた規制改革のタスクフォースにおいてでした。国家プロジェクトに中国国営企業の影がチラついていることは、中国政府の息が日本政府内部にかかっていると言っても、過言ではありません。河野太郎規制改革担当相は、「チェック体制の不備でお騒がせした」と受け流そうとしていますが...。国民民主党の玉木雄一郎代表は、「わが国の再エネ政策に中国の影響が及んでいる疑惑であり、見過ごすことはできない」といった発言で、強い懸念を示しています。事実、この問題は内閣府だけでなく、経産省や金融庁の資料にも同様のロゴマークが入っており、国家の内側から、中国の侵略を受けている可能性が非常に高まっているのです。
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