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2024-07-14 00:00
正義や道徳が邪魔をして争いを止められない現実
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
ウクライナ戦争もイスラエル・ハマス紛争も現状では先行きが不透明のままだ。停戦の糸口も見えていない。4つの当事者、ウクライナ、ロシア、イスラエル、ハマスは、停戦交渉を行ったり、止めたりで、それは仕方のないことであるが、落としどころが見えてこない。
ウクライナ戦争は戦況が大きく動かなくなっており、固定化されつつある。ガザ地区では、ハマスが抵抗を続け、イスラエルも戦闘を止めることができず、犠牲者の数だけが増えている。イスラエルはそれに加えて、レバノンの民兵組織ヒズボラとの戦闘も始めており、二正面作戦を進めようとしている。二正面作戦を行っての消耗(ハマスもヒズボラもイランから支援を受けている)はイスラエルにとって得策ではない。資源を浪費し、何よりも人命を損なう戦争や紛争はできるだけ早く停止することが重要だ。
停戦交渉や停戦合意で当事者たちが完全に満足することはできない。それは、どんな交渉でも同じことだ。一方だけが満足することはあるだろうが、皆が満足することはない。しかし、それでも交渉して妥協をして、戦争を止めねばならない。しかし、今の状況では、妥協はかなり難しい。それは、争いを正当化するために、道徳的な主張を行っているからだ。それらに反する妥協は、正義にもとるということになる。従って、交渉をしても妥協ができないという状態になっている。
外交に関しては、やはり「本音と建前」が大事ということになる。自分で設定した道徳的主張や目標に自縄自縛の状態になって、事態を非常に難しくする例は歴史上枚挙にいとまがない。しかし、そのことを私たちは歴史から学んで知っている。今こそ歴史から得られる教訓に従う時期である。
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