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2007-11-26 00:00
技能オリンピックでの日本青年の活躍に万歳
角田勝彦
団体役員・元大使
「半死の白頭翁」に近くなると、ご多分に洩れず「この頃の若い者は」と言いたくなるが、最近、それを打ち消す嬉しいニュースがあった。男子サッカーのU22日本代表が、11月21日に北京オリンピック出場を決めたことではない。似ているが、技能オリンピックの話である。ちょこっとは報道されたが、知らない方も多いだろうから書く。
同じ21日まで沼津市などで開かれていた第39回技能オリンピックで、日本は16種目で金メダルを獲得し、首位だった。二位は韓国の11個、三位はフランスの5個だった。日本が金メダルを獲得したのは、精密機械を加工して組み立てる「ポリメカニクス」(八連覇を達成)のほか「CNC旋盤」「溶接」「自動車板金」「造園」「移動式ロボット」などだった。柔らかい方では、日本が初めて金メダルを得た「洋菓子製造」もある。大島千奈選手は同時に国毎の最高得点者に与えられる「ベスト・オブ・ネイション」も受賞した。
技能オリンピックとは、職業訓練の振興と技能水準の向上を目的とし各国の22歳以下の若者が技能を競う大会で、1947年にスペインとポルトガルの二国間で発足している。実は、私は在スペイン大使館に勤務していた1962年に、スペイン北部の小都市で開催された第11回技能オリンピックに初めて参加する日本選手団をお迎えしたことがある。日本選手団は優秀な成績を収め、成果は日本国内でも大きく報道された。所得倍増計画が始まったばかりで、日本人の励ましとなったのである。
技能オリンピック(隔年)は、1970年には東京、1985年には大阪で開催されている。東京大会では、日本は金銀銅合計でこれまでで最多のメダルを獲得した。1971年の第20回大会まで、日本は金メダル数で1~2位を維持していたが、その後韓国・台湾に追い越されていった。それが、大手メーカー(トヨタグループ、日立グループなど)などの技能伝承強化もあり、前回大会で34年ぶりに金メダル数トップに返り咲き、今回は東京大会に並んだのである。
私は職人さんが好きで、国の宝だと思っている。技術は、私が唱える「知本主義」の現在、日本の発展を支える柱の一本である。46か国から813人の選手が集まった今次大会での好成績は、経済面で暗い影が見えている今、とくに明るい知らせである。なんといっても個人本位のスポーツのオリンピックより、技能オリンピックでの成績は、企業と国の職人さんに対する姿勢を反映する。政府は、もっと、このニュースの宣伝と関係企業を含む顕彰を考えてはどうだろうか。
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