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2007-12-04 00:00
『朝日新聞』の世論調査の信頼度
杉浦正章
政治評論家
今朝のニュースで注目されるのは『朝日新聞』の世論調査の結果である。新テロ法案が参院で否決された場合、衆院で再議決することについて「妥当だ」が46%で「妥当ではない」の37%を上回った。『朝日新聞』の調査で妥当が9%も上回ったのは特筆に値する。『読売新聞』など他紙の調査ではこれまでの傾向からいって、もっと支持が増えると思われる。国会審議への影響もありそうだ。
毎回、『朝日新聞』の調査で首をかしげるのが 補給支援特措法案への支持率だ。他紙が全て支持が不支持を上回っているのに、『朝日新聞』だけは支持が不支持を下回っている。例えば、『読売新聞』の場合「賛成」が49%で「反対」の39%を上回っているのに対し、『朝日新聞』の調査結果は「賛成」が36%(前回35%)で、「反対」の43%(同43%)を下回っている。これは衆院での新テロ法案の再可決を認める回答が認めない回答より多かった、という上記の『朝日新聞』自身の調査結果とも矛盾する。
なぜこうなるのか。これには設問の仕方にからくりがあるからだ。プロのいう〝釣り込み質問〟である。『朝日新聞』の質問は新テロ法案について「国会で活動内容の承認を受ける必要をなくすという内容です。この法案に賛成ですか。反対ですか」と設問している。わざわざ「国会承認をなくしてもいいですか」と聞かれれば、誰でも「反対」と答えるにきまっている。世論調査を分析して長いが、設問によっていくらでも答えは変わる。『朝日新聞』の調査の信頼度を問われる問題が、ここに内在している。
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