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2025-01-10 00:00
(連載1)日本のGDPがタイやベトナムに抜かれる日が近い
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
今回は「日本のGDPがタイやベトナムに抜かれる日が近い」という衝撃的な内容について、考えていきたい。昨年の年末に、ネット上で日本のGDPが徐々に下がっており「タイやベトナムにも抜かれる日が近い」という記事を目にした。世界経済は二つの理由で悪化の一途をたどっている。まず令和6年の経済状況を見てみよう。ロシアのウクライナ侵攻・アフリカの内戦、イスラエル=ハマス戦争及びそれに付随した中東での軍事作戦、そしてアフリカのスーダンやニジェールなどで行われている内戦や反乱などがあり、貿易が正常に行えない(シーレーン防衛にも経費がかかる)状態でありなおかつグローバルサプライチェーンが崩壊しつつある。ロシアのウクライナ侵攻よりその侵攻を擁護する勢力と、その侵攻を糾弾する勢力、そしてそのどちらにも与せず中立を保つという考え方の三つの勢力に世界各国が分断されつつある。分断は政治の世界だけではなく、経済の世界にも影響を及ぼす。経済制裁という事だけではなく、貿易の妨害や商船の破壊活動や通航制限などがその内容に当たる。ウクライナやロシアにおける小麦の輸出制限やイエメンのフーシ派による紅海航行阻害などによりシーレーンの安全が守られなくなり、物価の常用を招く。
そもそも2020年に新型コロナウイルスCovid19によって、世界のほとんどの国が通行の制限を行い、または都市封鎖などが行われた。この新型コロナウイルスによってさまざまな考え方が出てきて、経済優先で集団免疫を得るなどの考え方が出た。この時に一部の企業によって製造されたワクチンが行動の自由を得るための最善の策ということになり、多くの国がこれら企業からワクチンを購入することになったが、そのワクチンの購入のために多くの国が財政的にひっ迫する結果となり、新たな経済対策などに政府が資金を使うことができなくなってきている。これらの影響によって2024年は経済的には悪化している。このような状態の中で、多くの国がその経済の打開策を模索している状態が2024年であったということになる。
このような中、日本の有名都市銀行や機関投資家の「来年の予想」は基本的には「徐々に復調する」と述べている。そもそも都市銀行や機関投資家などは、顧客の投資性向が必要なのであって、「復調しない」と書けば、多くの人が貯金貯蓄に回してしまうので、営業的にも「復調」と書くのではないか。その根拠は「インフレが一服した」「IT企業の伸びが大きい」ということから「景気回復」が見込まれるという。果たして本当であろうか。景気回復というのは「投資性向」ではなく、多くの人が「消費性向」とくに「必需品以外の消費」や「無駄や余暇」への投資や消費ということが必要になる。ある意味で「趣向品」「瀟洒品」などが景気をよくすることになる。日本のバブル期を考えれば、同様の事であろう。
現在は相変わらず「安さを遡及する広告」が多く、「一生モノ」つまり「品質が高いが高価なもの」を購入させるような広告はほとんどない。この状態で「消費性向が高くなる」ということはあり得ないといって過言ではない。品質や性能をしっかりと伝えその価値を金銭的に評価するということが本来であれば必要であるが、残念ながらそのような企業は現在は少数派である。ではなぜそのような「価格訴求型」になってしまっているのか。これは「価格が安くなければ売れない」ということである。これは一つには「消費者の金銭感覚が安い方になってしまっており使用品質が限られている」ということを意味している。実際にスマートフォンやデジタルカメラなど、様々な物品が売られているが、その多くは「機能を100%全て使いこなしている消費者がいない」という状態であり、「不必要機能」または「今までの機能で十分であり新規性がない」ということになる。要するに「消費者が欲しい、簡単に(または日常的に)使える商品がない」ということであり、また「今までの商品とその組み合わせで十分」ということになる。このことは、「中古店」「リサイクル店」が大きく市場を伸ばしていることにも表れており、値段の高い新規商品よりも、自分が使いこなせる「身の丈に合った状態の良い中古品」を欲しがる傾向がありまたそれで十分ということになる。(つづく)
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