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2025-09-21 00:00
(連載1)麻生太郎が支持する高市早苗と菅義偉が支持する小泉進次郎の戦いに
古村 治彦
愛知大学国際問題研究所客員研究員
2025年10月に実施される自民党総裁選の候補者が出揃いつつある。現在のところ、高市早苗議員と小泉進次郎議員が激しく争っており、他の候補者たちは厳しい戦いが予想される。茂木、小林、林の各氏は東京大学、ハーヴァード大学ケネディ記念行政大学院の同窓生の争いとなっている。高市氏、小泉氏もアメリカ経験があるが、3人の経歴に比べれば見劣りする。5人中4人がアメリカの名門大学の大学院で修士号を取得しているのは、属国の面目躍如と言うべきだろう。
高市早苗議員を応援するのは麻生太郎元首相と、自民党内で唯一解散せずに残っている麻生派である。麻生氏は、前回の総裁選挙で、私怨もあって石破茂議員当選を阻止すべく、高市議員支援を行い、敗れた。今回は、選挙での敗北を台木名分にして、石破降ろしの陣頭指揮を執り、いつまでも権力者気取り、キングメイカー気取りで、死ぬまで議席と権力を離さないという強い姿勢を見せている。麻生氏は自分に挨拶があるなしで愛い奴と判断し、女性を美醜で判断するような発言を平気で行ってきた過去があり、いつまでも権力の周辺にいてよい人物ではない。21世紀も四半世紀が過ぎようしている時代に、時代の大きなうねりや大転換、構造変化についていけない人物が日本の権力者となっていることは、現在の日本の不幸であり、将来の歴史家も「日本を救った祖父吉田茂、日本をダメにした孫麻生太郎」という評価を降すだろう。その頃の日本は先進国の地位を失っているだろう。
高市議員は故安倍晋三元首相の正統な後継者を自認している。しかし、安倍派の幹部だったことはなく、安倍派四人衆(松野博一議員、西村康稔議員、萩生田光一議員、世耕弘成議員)は面白くないだろう。しかし、彼らはもはや自民党の総裁になる力はない。自民党を離れているものもいる。そうなれば、高市氏を応援するしかない。麻生太郎議員の下について、高市政権樹立の際に、おこぼれをもらって生き延びるしかない。小泉進次郎を支えるのは、菅義偉元首相だ。「小石河連合」(小泉進次郎議員、石破茂首相、河野太郎議員)という動きもあったが、河野議員は、派閥の両州である麻生氏から派閥を譲ってもらうためには膝を屈して従わねばならない。麻生議員がいつまでも引退しないために、河野議員も年齢を重ねてしまい、チャンスを逸する可能性もある。昔は、派閥継承のクーデターもあったが、河野氏にはその気概もなく、仲間もいないようだ。この人望のなさが致命的になっている。河野一郎、河野洋平と続く、自民党総理総裁に限りなく近づきながら、結局厳しかったという、四半世紀にわたる悲劇性がつきまとう。
小泉議員は石破政権の農林水産相でありながら、菅義偉議員と共に、石破首相に退陣を迫り、最近の出馬意向表明では、石破首相の路線を継承するという心にもないことを述べている。系統としては保守傍流である小泉議員には保守本流の石破首相の継承者にはなれない。石破首相の継承者は林芳正官房長官である。残念であるが、今回の総裁選挙では、林議員は厳しい戦いとなる。(つづく)
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