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2007-12-11 00:00
連載投稿(1)中国の経済発展と高まる教育熱
伊東道夫
会社員・経済学博士
夏から本格的に始まっている来年9月就職を希望する中国の学生たちの就職活動がこの冬場になって一段落してきた反面、今現在まだ690万人の学生たちが就職活動を行っているという現実がある。人口比率から言えば直接日本と比較することはできないが、企業の絶対数から考えても就職難ということができる。中国の大学入学率は、1970年代後半文化大革命が終局になったころから、年々上昇してきているが、特に1990年代経済成長が始まってから生活に少しずつ余裕が出てきたこと、また義務教育が重要視され農村地域の大人たちが教育の重要性を理解し始め、就学率が上がってきたことから、大学への進学希望も増え続けてきた。
ただし、1990年代ぐらいまでの大学卒業生は、社会主義国家の特性によってそのほとんどが、国家からの強制的分配制度に基づいて就職をしていた。当時は国家・社会・人民への貢献意識が高かったことと、思想教育が徹底していたことで、国家の指定した会社や国家機関へは不満もなく就職していた。そのころは、収入の格差もほとんどなく、福利厚生もしっかりしていたので、問題はなかったようである。しかし、1990年代後半から現在に至るまで、特に2000年代に入ってから状況が変わり始めた。歴史的な経済発展を遂げる中国で、富裕層といわれる人たちが急激に増え、教育に対する考え方も変わってきた。教育に対してもお金をかけるようになってきた。例えば、幼年教育として小さいころからピアノ・ヴァイオリン・コンピュータ・各種スポーツなど英才教育に力を入れ始めた。
また、このころから、富裕層の増加と教育熱の高まりに乗じて、進学塾の設立が目立つようになった。最近は、日本のように有名塾が出始め、その塾へ入学できることイコール有名大学入学への切符を手にすることのようである。今では、留学ができる学校(中国ではまだ、許可・金銭の問題で簡単ではない)を売り込みにする塾まで出始めている。こういった教育熱によって受験生は年々増え続けている。(つづく)
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