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2007-12-12 00:00
連載投稿(2)中国人留学生の増大と雇用問題
伊東道夫
会社員・経済学博士
最近では、受験生の数に大学の生徒募集が追いつかない状況で、浪人生も年々増えている。その増え続ける受験生を何とか進学させようと、一昔前では考えられなかった私立大学の設立も、申請許可に中国政府が重い腰を上げ始めた。すでに、大都市では、私立大学が増え始め、最初は将来に何の保証もない私立大学に難色を示していた受験生も関心を示し始め、入学者も増え始めた。私立大学や専門学校が増えれば、卒業生も増え、就職活動も困難になる一方で、企業によっては専門的能力(語学力、技術力、専門知識など)がある学生を取るところも増えてきている。
こうなると、国立大学の卒業生ものんびり構えているわけにはいかない。最近の傾向として国家の分配就職制度も利用できる反面、もっと自分にあった専門知識の生かせる仕事探しが自由にできるようになったことと、企業の青田刈りも出始めていることから、早い時期での就職活動が必要となってきたようだ。しかし、先にも述べたように何百万人もの卒業生が就職できない状況が、今後どれだけの社会的負担になり、社会的混乱につながっていくのか、想像できないが、これは他人事ではすまなくなる可能性もある。
これらの人材が、日本を始めとする海外の多くの国々の大学院や専門学校に留学生として進出し始めているのである。気がかりなのは、こういった人材難民が増えることで、各国の雇用問題に社会的影響を生ずることである。10万、20万の数ではない多くの卒業生が無職化していくと、いろんな意味で社会的混乱は免れないであろう。最近では、日本企業・欧米企業が中国にある現地法人で積極的に人材を確保しているとの話を聞くが、その努力に少しなりとも期待すると同時に、中国の労働契約法の改正で外国企業の積極的行動が失速することが危惧される。日本政府も企業も、将来の少子化を真剣に考え、外国労働者の不安な面だけを考えるのでなく、優秀な人材確保に動くときではなかろうか。(終わり)
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