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2007-12-19 00:00
新テロ特措法案、重ねて民主党の非を鳴らす
内田忠男
名古屋外国語大学教授
国際テロ組織防圧のため洋上阻止行動を展開している多国籍海軍の艦艇に、海上自衛隊が実施してきた補給支援を、出来るだけ早期に再開しようという新テロ特措法案の成立に、民主党など野党が依然強硬に反対している。審議を遅延させる理由として、防衛省の装備品調達をめぐる疑惑などさまざまな不祥事の解明が先決だとする。筆者とて、疑惑解明は喫緊の重要事と思うが、それと、新テロ特措法案は別物である。テロの防圧は国際社会共通の重要課題であり、憲法上の制約のある我が自衛隊が、貢献寄与出来る数少ない選択肢として洋上補給が行われ、多くの国々から真摯な称賛と感謝を受けてきた。これを継続するのに何故これほど反対するのか、理解出来ない。
民主党の小沢代表は、洋上阻止行動には国連決議の裏付けがないから、そこに自衛隊を派遣するのは憲法違反だと主張する。この行動に国連決議のお墨付きがあるかないかについて、議論があることは承知しているが、筆者としては、米国における同時多発テロ直後に採択された安保理決議1368と、その2週間余り後の9月28日に採択された同1373で「個別的または集団的自衛権の行使」が確認されていることから、広義では安保理の承認を得ていると考えて然るべしとする考えだ。百歩譲って安保理決議の範疇外だとしても、海自の艦船が特定の国に敵対行動を取っているわけではなく、戦闘行為に巻き込まれる可能性がゼロないし極小であることを思えば、これを直ちに「憲法違反」とする考えには与しがたい。
小沢氏らは、中国やロシアという、我が国とはしばしば利害が分かれ、価値観を異にする国が拒否権を持つ安保理の決議が、それほど尊いと考えるのか?それこそ真の国益を軽視した形式主義ではないか。副次的な効果ではあるが、洋上阻止行動が続いているおかげで、日本が輸入する原油の9割が通航するシーレーンの安全も保たれている。日本の国際的評価にかかわるイシューを政局に利用するのは、もういい加減にやめて欲しいし、こうした行動に終始する民主党に政権を渡すことなど、とても考えられない。
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