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2008-01-07 00:00
連載投稿(1)円と日本経済の沈下(1)
鈴木淑夫
元衆議院議員・鈴木政経フォーラム代表
旧臘26日、平成18年度国民経済計算の確報が発表された。平成18年の日本の名目GDPが世界の名目GDPに占める比率は、9.1%に下がり(1年前は10.2%、2年前は11.1%)、1人当たり名目GDPは、OECD加盟国30か国中、18位に低下した(1年前は15位、2年前は12位)。2000年の日本のGDPシェアは15.8%であった。また1人当たり名目GDPは、1993年に2位であり、2000年にも3位であった。それが、その後6年間に急激に低下したのだ。このような日本経済の国際的沈下は、この6年間に、(1)日本の実質経済成長率が米、英、加、豪、北欧諸国など多くの先進国を下回り、(2)GDPデフレーターは下落を続け、(3)円の為替相場は円安トレンドを辿ったからである。
日本の実質経済成長率は、バブル期(87~90年度)に年平均+5.5%の高成長を記録したあと、バブル崩壊後の3年間の停滞(年平均+0.8%)を経て、94~96年度の3年間に年平均+2.8%の成長率にまで回復した。ところが橋本政権は、財政再建最優先の経済戦略を掲げ、13兆円のデフレ・インパクトを含む超緊縮予算を97年度に執行した。その結果、1997年秋から大型金融倒産を伴う「平成金融恐慌」が発生し、1998年から2004年までの7年間、大規模な信用収縮が起こり、不良債権は急膨張した。財政赤字も、橋本内閣の意図とは逆に、97年度の2倍に膨張した。
このような不良債権の膨張、信用の収縮、株価の低迷、財政赤字の記録的増加(将来の増税予想)の下で、日本経済の将来についての人々の期待は当然悲観的となり、予想成長率の低下が投資の沈滞を通じて自己現実的に潜在成長率を引き下げてしまった。日本銀行が推計した潜在成長率を見ると、97~03年の7年間は年平均+0.7%に迄低下しており、とくに2003年は+0.3%という低さである。その後、極端に輸出に偏った2%強の成長が03~06年度に実現したが、潜在成長率は06~08年になっても、年平均+1.5%に回復したにすぎない。(つづく)
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