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2008-01-28 00:00
年頭所感「日本の決意を問う」
太田正利
元駐南アフリカ大使・元杏林大学教授
世界情勢は流動化の兆しがある。韓国、台湾、米国の大統領選挙や総選挙等。幸にして、韓国では野党の李明博候補が勝ち、問題の多かった盧武鉉政権は終了することになった。しかしながら、台湾立法院の選挙では野党国民党(対中協調路線)が圧勝した。これでは3月の総選挙における台湾独立志向の与党民進党の勝利もおぼつかない。かくして、やがて台湾が本土に併呑される恐れがあり、その場合には、台湾海峡、バシー海峡等日本と中東などとのシーレーンも脅かされかねない。
やがて、中国の影響力は尖閣諸島は勿論のこと沖縄にまで及ぶことが十分考えられる。日本人はかかる事態の到来に備えなければならぬ。大陸は沖縄王朝による大陸への朝貢に言及しているし、また、海底油田の問題は未だに解決するどころか、むしろ日本の対応は後手後手に回っている。日本人としても台湾が歴史上常に大陸とは別個の道を歩んできた事実を銘記すべきである。「台湾は日本が中国から奪取したもの」などという浅薄な知識は不可である。
11月の米大統領選も日本には少なからぬ影響を与える。現在の米軍は、中東問題に足を取られ極東問題に手が回らないようだ。北朝鮮の核問題についても国務省の一部勢力に「丸投げ」の感があり、担当官たる「クリストファー・ヒル」は「キム・ジョン・ヒル」と揶揄される始末。それに、米国の対外政策は、歴史からみても一貫性を欠くことが多い。「国際主義」から「孤立主義」へ振り子が動くが如くである。共和党(その勝利が望ましいが)の親日路線が何時ぶれるや知れぬ。オバマの場合には、そのアドバイザーは大の親日家だと言われるが、ヒラリー・クリントンに至っては、日本よりも中国重視の立場のようだ。
その上、米国は北朝鮮になめられてるという感じがする。「拉致問題」は残念ながら米国の関心の外に飛んでしまったのではないか。共和党政権が続く以上、簡単にテロ国家指定の解除はなされないと希望するが、果たしてどうなのか。核問題も、1月初め北朝鮮は「核開発リストはすでに提出済み」(朝鮮日報)と言い、これに納得しない米国との間に再び対立の兆しがあるようだ。この際、核問題は「米朝間の問題」などと逃げないで、日本こそが(お得意の)「最初の原爆被害国だ」という立場から、相手が誰であれ、「大きな発言権があるのだ」と大きな声で叫んで介入し、問題解決に貢献すべきだ。
最後に一筆。日本としては「国際的洞察力」を養うことが必要である。この面では、まだまだ不足だと感ずる。さらに国として必須の「自主性」を発揮し、これを外交の面にまで及ぼすべきだ。日本が国際場裏で旗を振って他国をリードしたのが、「大東亜共栄圏」というのでは、一寸淋しい・・・。
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