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2008-02-14 00:00
注目すべきIBSA会議の動向
坂本正弘
日本戦略研究フォーラム副理事長
第2回India-Brazil-South Africa Dialog Forum(IBSA会議)の結果を報告する会合が2007年11月末、International Media Forum の肝いりで 在京ブラジル大使館で行われた。ブラジル、インド、南アの各大使が出席し、「我々は民主主義国、多文化主義、多民族国家である」と声をそろえ、さらに「近い将来各大陸を代表する国となり、21世紀の国際秩序を変える」と胸を張った状況には迫力があった。現在、GDP2兆ドルだが、3国とも経済成長は好調である。インドはいうまでもないが、ブラジルはかってのインフレの弊害を克服し、南アも資源・工業国としての発展がある。いづれも人口大国であり、合計人口は15億人となる。
IBSAの目的は3カ国の協力により、相互の発展を図り、南の利益を国際社会に訴えることだとする。3カ国の貿易を拡大し、将来、インド-南アメリカ共同市場-南ア関税同盟のFTAを目指すとする。また、軍縮や環境問題への協力をも取り上げる。このような構想はインドとブラジルはWTO交渉で今やG4(米、EU、インド、ブラジル)の主要メンバーとなり、途上国の代表的主張をしている事実に支えられている(かつての日米加EUの四極に替る状況である)。また、3カ国の関係だが、インドと南アは共に Common Wealth のメンバーである。インドのアフリカへの進出は古く、ガンジーが南アで弁護士をしていた。また、ブラジルにはアフリカ系の人間が沢山いて、南アとの人種的関係が強いとする。
3カ国の協力がどの程度進行するかは今後の推移に待つしかないが、2020年の状況を想像すると、各大陸を代表する国に成長する可能性は高い。しかも、各国とも民主主義を標榜し、市民社会の実現を掲げている点を評価したい。最近の国際社会では、中国の台頭が専ら注目されている。しかし、中国以外の、しかも市民社会を目指す国が台頭し、21世紀の国際社会に影響を高めている事実に注目したい。上記、IBSA会議の席上、小生はIBSA構想に賛成のコメントをしたが、次回IBSAは2008年インドで開催の予定という。
IBSA諸国はいずれも、本年、日本で行われるG8サミットに招待される可能性があるようだが、日本外交の方針として、今後も、IBSA会議の進展を促進するような方策を進めるべきと考えるが、どうか。
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