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2008-04-11 00:00
安全保障に貢献する政府系ファンドを!
塚崎公義
久留米大学准教授
日本にも政府系ファンドを作ろうという話があるようだ。巨額の外貨準備を単に米国の国債で運用しているだけでは勿体ないということであろう。問題は、何を目的とするか、である。外貨準備は国民の貴重な財産であるから、運用成績を上げることも必要であろう。しかし、我が国の安全保障に貢献するような投資を行なうという観点も忘れてはなるまい。
その際に、是非加えて欲しいのが、海外での大規模農場の所有、資源採掘権を持つ会社への出資、等々である。海外の資源に関与しておけば、将来のある時点でグローバルな資源制約が問題となった場合において、我が国の資源の確保に資するであろう。投資効率を考えれば、政府単独よりも商社と組んだ日の丸連合が望ましい。くわしくは、拙稿「食の安全と政府系ファンド」(http://www.tsukasaki.net/report/report0804.html)」をご参照ありたい。
外貨準備をドルで持っていると、ドル暴落で損をする心配があるが、海外の資源に関与しておけば、万が一ドルが暴落しても、原油や食料が受け取れるという安心感もある。現在、日本国際フォーラムでは日本の農業の総合戦略が議論されている。たまたま食の安全と食料自給率が話題となっているタイミングでもある。こうしたアイデアを一度真剣に議論してみては如何であろうか。
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