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2008-04-28 00:00
憲法意識調査の国民投票制度を提案する
大藏雄之助
評論家
また憲法記念日がめぐってくる。安倍内閣で憲法改正の手続きは一応整ったが、まだ細部の作業は残っている。その前に衆参両院の発議が必要であるから、今後10年ぐらいは、憲法改正が正式の議題になることはないだろう。
周知の通り、前の大日本帝国憲法は明治天皇が御下賜くださった「不磨の大典」として、改正の条文があるにもかかわらず、矛盾を抱えたまま敗戦にいたり、なんと占領軍がその規定を利用して、改正とはほど遠い新憲法を制定させた。「戦勝国は敗戦国に恒久的な制度を押しつけてはならない」という国際的な慣行に従えば、GHQの行為は問題であるが、日本も独立回復時にこの憲法を破棄しなかったので、現状はやむをえない。
人間の定めた規則は、制定当時どんなにコンセンサスを得ていても、時代とともに不具合を生じる。諸外国は実情に合わせて法規を改めるという考えであり、ドイツは基本法を毎年のように改正しているし、アメリカも10年に1条文ぐらいの割合で修正を行っている。わが国では護憲勢力が一定の勢力を持っていたので、憲法を改正することができず、事実上、解釈改憲をしてきた。内閣法制局の一存で政府が勝手に振る舞うおそれがあるよりは、改正した憲法の規定を厳守させる方が安全だと思うが、その常識がなかなか通らない。
それはそれとして、私は20年ごとに、直近の国政選挙にあわせて、全国民の憲法意識調査を実施すべきだと考える。現在の憲法が国民投票に掛けられたとき、私は旧制中学の4年生であり、当然意思表示をする機会がなかった。そのまま60年が経過した。すべての国民は、一生に一度ぐらい自国の憲法について意見を表明することが許されるべきではないか。20年に一度とすれば、生まれたばかりの子供も成人時に賛否を表示できるし、前回最年少で投票した者も40歳の成熟した人格として新たな考えを示すことになる。ぜひとも世論の支持を得たい。
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