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2008-07-01 00:00
G8首脳はテレビ閉鎖回路でサミットの議論をフォローせよ
角田勝彦
団体役員・元大使
北海道・洞爺湖サミットが近づくにつれ、東京でもテロ対策などの規制が行われるようになった。現場はさぞ大変だろう。いよいよG8首脳が来日したときの、デモ隊などの騒ぎも思いやられる。サミットのテーマは拡散し、付随する大臣級の各種会議も増えた。作成される文書は、首脳や大臣が熟読して発出したとは、とても思えないほど膨大な数になった。関連会議にG8以外が参加することも珍しくなくなった。Outreach5(ブラジル、中国、インド、メキシコ、南ア)は2005年から連続して準参加している。一口にいって、世界政治の奥の院とみられているサミットの祭典(セレモニー)化、形骸化が進んでいる。G8諸国の影響力の低下と権威の失墜も目立っている。我が国の地盤沈下は、とくに憂慮される。
しかし、工業化された主要民主主義国首脳が持ち回り定期会議(事務局なし)で共通の諸問題に関し率直な討議を行うというランブイエ(1975年第1回サミット)精神には、なしくずしに消滅させるには惜しいものがある。最近開催地に大都市でなく、地方の保養地が選ばれるようになったのは、警備面の考慮はもちろんとして、この原点回帰の考えによるところも大きい。少人数の懇談の効果は他に代え難い。しかし、1年1回の開催では、その間に問題が山積するため、どうしても文書の山が築かれるのである。残念ながら、1年1回の開催のためG8の「決議」「決定」「宣言」その他諸々のフォローアップがあまりなされないのも事実である。さりとて多忙なG8首脳が年に何回も集まるのは困難であろう。
そこで提案したいのは、テレビ閉鎖回路によるG8首脳会議の開催である。招集は、形式的には議長国(今年は日本)とし、月1回数時間ていどを目安に特定の絞ったテーマについて率直な非公開の意見交換を行うことにしては、どうだろうか。合意があれば、形式的には、その後の国連安保理などで決定を行えば良い。これにより、日本の国際的地位も格段に向上するであろう。安保理常任理事国になる前にも常時その重要な決定に参加できることになるからである。二国間の連絡にも使用できるようにしておけば、ホットラインとしても利用できる。とくに米国との関係では有用であろう。福田首相が議長として、北海道・洞爺湖サミットで、この案を提示されてはいかがだろうか。
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