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2008-07-02 00:00
洞爺湖サミットは、京都議定書の二の舞でよいのか
大藏雄之助
評論家
近く北海道洞爺湖で開かれる主要国サミットの主要議題の一つは、環境問題、地球温暖化防止の対策だということだ。これは今や議論の余地のない目標であって、特に私の周辺では、これに反対するような人間は疎外されそうな勢いである。日本人で「京都議定書」を知らない人はいない。これほど国民全体が熱心になっているのは、「京都」という名称の所為であるらしい。自国の著名な古都で決まったことだから、尊重しなければならないと考えているのだろう。
世界には地名を冠した国際会議は無数にあるが、ウルグヮイ・ラウンドとかドーハ・ラウンドとかの中身は忘れられている。環境問題も最初はリオデジャネイロの会議であった。それらの会議は、場所提供国の政府高官が議長や座長を務めるのが普通だが、所詮貸座敷であって、主宰国が会議の成果に責任を感じなければならない種類のものではない。京都議定書の内容は、必ずしも納得のいくものではなかった。中国やインドなどの公害大国は含まれていない。締約国は172あったが、署名国は82で、まだ過半数に達していない。アメリカは、クリントン政権が調印し、ゴア副大統領が熱弁を振るったが、上院は批准せず、最近ブッシュ大統領が多少の関心を示しているものの、留保条件が多く、依然として離脱状態にある。ロシアは森林が多くて排出量に余剰があるので、排出権を未達成国の日本に販売しようとしている(他の外国は買わない)。
日本はもともと省エネが進んでいたために、ヨーロッパ並みの排出量削減は困難だったから、6パーセントより有利な数字を主張すべきだったが、「京都」の重みを感じて何とかまとめようとしたため、調印からすでに10年を経過した今日でも、まだ目標達成の見込みはない。2050年までに二酸化炭素等半減を唱える日本の提案に賛同する国は少ない。この分では、ポスト京都議定書の2013年以降も、今度の洞爺湖サミットの合意に責任を感じる国民の追及によって、わが政府はさらに苦しむことになるであろう。
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