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2008-07-07 00:00
また騙される?米の北朝鮮宥和政策
内田忠男
名古屋外国語大学・大学院教授
北朝鮮は6月26日、遅延を重ねていた核計画の申告書をようやく提出、アメリカはそれに対応して、テロ支援国家の指定解除などの手続きに入った。伝えられるところでは、申告の内容は、プルトニウムの抽出量と核関連施設のリスト、それにウランの在庫量などに限られ、生産した核兵器の数や、その保管場所、シリアに対する核協力の経緯など、核拡散に関する肝心の資料は含まれていないという。
このように不完全な申告に対してアメリカが、テロ支援国家の指定解除や対敵国通商法の適用除外といった行動に出たのは何故なのか?任期末を控えたブッシュ政権に外交上の成果を残そうとする焦り、とする観測がしきりなのは当然であろう。任期末になると北朝鮮に関心が向き、必要以上の宥和策に出るのは、クリントン前政権でも見られた。2000年10月にオルブライト国務長官が平壌を訪問し、金日成廟に詣でたうえ、マスゲームを見せられて「感動」し、大統領の訪朝まで日程に上りかけたが、直前でそれだけは思いとどまった。しかし、その裏で、北が1994年の米朝枠組み合意に違背する動きをしていたことが明白となり、クリントン政権が騙された形になった。
ブッシュ政権は、そうした甘さを厳しく批判してきたのに、自らの政権が末期になると、同じように北に擦り寄り、重要なカードを2枚まで切る雅量を示した。アメリカや日本のように、国際関係においても「常識」を重んずる国にとって、北朝鮮というのは極めて扱いにくい国である。国家としてのウソや非常識が当たり前で、目先の援助や支援を獲得する道具にすることを常習としてきた国だからだ。寧辺の冷却塔を、外国メディアのカメラの前で爆破して見せたパフォーマンスなど、到底信ずるわけには行かぬ。その費用500万ドル(この数字も真実かどうか疑わしいが)の半額をアメリカが負担したと伝えられる(NYタイムズ)に及んでは、お人好しもいい加減にしては、言いたくなる。
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