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2008-07-22 00:00
(連載)日米MD協力に集団的自衛権行使をからめるな(2)
角田勝彦
団体役員・元大使
今年4月のシンガポールでの米朝協議で、米国が「核問題」の対象から高濃縮ウラン計画、核拡散、核兵器の検証と廃棄を先送りし、当面の対象を寧辺核施設の無能力化に限定することに同意してからは、北朝鮮ペースが強まっている。この分では、北朝鮮の核計画申告にも含まれていない核兵器の放棄を目指す「第3段階」の実現は、ほど遠いように思えてくる。それはそれとして、現在さらに北朝鮮が6月26日に提出した核申告内容の検証の遅れが問題になっている。
寧辺核施設について、北朝鮮は、抽出したプルトニウム量は約30キロで、このうち約2キロを06年10月の核実験で使用したと説明している由である。核計画申告内容の検証方法を詰める協議については、7月10-12日の6カ国協議でも具体的進展はなく、非核化作業部会などは再開のめどが立っていない。このまま北朝鮮に引きずられていってよいのか、という疑問が当然生じている。
米国は、外交とあいまって、北朝鮮・イランのICBMに備えたミサイル防衛網強化の考えも表明した。すなわち米国防総省ミサイル防衛局のオベリング局長は、7月15日の記者会見で、アラスカ、カリフォルニア両州に配備済みの計24発の地上配備型迎撃ミサイルを、年末までに30発に増強する旨、また海上配備型迎撃ミサイルSM3を搭載できるイージス艦も、年末までに15隻から18隻に増やす旨発表した。キーティング米太平洋軍司令官も、16日、北朝鮮が核兵器を製造したとみなして抑止力強化を図っていく方針を示した。
我が国にとっても、北朝鮮の弾道ミサイルは重要関心事であり、海上自衛隊は2007年以降2010年までに、4隻のSM3搭載イージス艦を順次配備していく方針である。さらに2006年9月以降数回に亘り、我が国近海で、ミサイル防衛に関する日米共同対処訓練が行われている。通常、発射から着弾まで10分もないと言われており、これに対処する日米間の迅速な情報共有手段の確認が主目的である。このような実際の協力が円滑に進展できるような解釈の統一が必要なのである。(おわり)
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