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2008-08-28 00:00
(連載)米新戦略に対応する日本の戦略はあるか?(2)
鍋嶋敬三
評論家
ゲーツ国防長官は「まもなく大統領が代わるが、米国が直面する複雑な課題は変わらない。国防報告は来るべき数年間の成功のための青写真である」と宣言した。「ねじれ国会」の下、福田康夫政権は安保政策で後退に次ぐ後退である。アフガニスタン本土への自衛隊派遣は、公明党の難色で見送りになった。来年1月に失効するインド洋での給油のための新テロ特別措置法の延長も、公明党が党内事情で消極姿勢に転じ成立が危ぶまれる。年末には国連決議の期限切れで、航空自衛隊がイラクから撤収を余儀なくされよう。在日米軍再編の要である普天間基地移設も、沖縄県議会の反対決議で動きが取れない。米国のいら立ちは募るばかりだ。
米国と日本の戦略に大きな隔たりがある。日本にとって直接の脅威は、北朝鮮の核とミサイルである。年間2桁の増強を続ける中国の軍事力の脅威も無視できない。テロとの闘いは米国の戦略への協力の側面が強い。「テロそのものが米国への直接の脅威だ」とする米国とは、基本的な違いがある。この戦略上のギャップをどう処理するかが、日米の大きな課題である。そのためには高度に政治的な戦略対話が必要だが、国際環境の認識、安保・外交政策の優先順位、国際貢献の在り方などを包括した明確な方針が日本になければ、対話は成り立たない。米国の新政権が半年後発足するが、福田連立政権に独自の戦略を構築する政治的意思はあるのだろうか。(おわり)
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