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2008-09-02 00:00
国内政治の改革なくして、日本の国際的活躍はない
坂本正弘
日本戦略研究フォーラム副理事長
福田総理の辞任は晴天霹靂の衝撃だが、考え抜かれた決断であるとも言える。問題は、次の総理が誰であっても、ねじれ国会や政治情勢の厳しさには変わりがないことだ。「失われた時代」の1990年代には、10人の首相が平均一年余の任期で交代した。日本の政治で、小泉内閣のような長期政権はむしろ例外で、今後も短期の交代を繰り返すと見るべきなのか。しかも、国際情勢は激動・流動化している。日本は、更なる「失われる時代」に入るのか?
選挙は最終的には選挙民である日本人が決めることだが、同時に政治家の政策・信条との対話、政治参加の機会でもある。この点、日本の政党の総裁、総理の決定過程は簡単すぎ、民主主義の実現に十分でない。アメリカの大統領選挙の過程は長すぎるくらいで、激甚な競争だが、それは不適切な候補者の排除過程であり、適切な候補者の成長機会であり、更には米国民との対話、政治教育の過程でもある。日本の場合、自民党総裁は複数の候補者が立候補するようだが、その過程は短期間で、十分でない。他の政党での選出過程はもっと不透明である。中曽根元首相の首相公選制提案の早急な実現は困難だろうが、その趣旨を受け、総裁の決定過程の透明化・長期化による競争導入を促進すべきである。
よく、日本の政治家は「国際的主導性が弱い、国際的存在感が薄い」といわれるが、国内での競争が十分でなければ、国際的競争には勝てない。米国の国内政治の競争は、上記のように激しいが、中国共産党首脳の選出過程も激甚な闘争である。更に日本社会には「出る杭は打たれる」という平等主義が強いが、突出を認め、強靭な人材の育成を促進することは、政治の役割である。更に言えば、総裁選挙過程の透明化、競争化、長期化は、たとえば、憲法9条に関する政策による政治家の再結集、政党の再編成の促進に繋がると考えられる。
世界情勢は、一方で米国主導の体制がサブプライム問題や中近東情勢の推移によって挑戦を受け、米露間の対立が表面化するとともに、他方で米中接近が進行するなど、国際情勢全体が流動化している。米国共和党大会は日米同盟の強化と日本の指導的役割を期待するとの綱領を採択したが、日本がこれに応え、日米同盟を活用し、アジアでの主導性を高めるには、国内政治の改革が不可欠である。
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