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2008-09-16 00:00
(連載)新首相が解散前にやらねばならぬこと(2)
角田勝彦
団体役員・元大使
その解決のため福田内閣発足時に模索された大連立構想は、泡と消えたままである。宰相の個人的資質・手腕や制度(とくに官僚指導型体制)改革による行き詰まり打開も、与野党対立をほぐす道ではない。そもそも、官僚は最大のシンクタンクである。「霞ヶ関をぶっこわす」などの発言も聞かれるが、(官僚より)民間人や政治家、ないし(中央より)地方の方がより効率的な行政が出来る、と考えるのは、楽観的迷妄である。また豪腕宰相などは、存在するにしても、民主主義のもとあまり歓迎したくない。思い込みが、のちにひずみをもたらすことは、最近の内外の事例からも明らかである。
新首相の総選挙早期実施の可能性は、与野党対決を暫定的にほぐす機縁になり得る。「ねじれ」解消のため、野党は「総選挙による決着」を求めており、いまや早期解散を予定し、選挙運動に狂奔し始めている。自民党も浮き足立っている。10月26日「なだれ込み」総選挙説が流れている。総選挙は野党に有利である。参議院に解散はないから、総選挙により野党が勝利しなければ、「ねじれ」は当分(早くとも121人の参議院議員の任期が満了する平成22年7月まで)解消しない。直近の民意を尊重すると言っても、野党はその自由な判断で参議院での与党との対立を継続できるのである。与党が3分の2の多数を保持できれば、現状維持ができるが、まず無理であろう。
早期解散・総選挙を望む野党や公明党に、その前にまず焦眉の懸案の解決をと、もちかけることは可能であろう。国民の利益のため政治の空白を避ける、という大義名分は大きな圧力になろう。なお、野党が政権を奪取しても、安定政権にはなりそうもない。総選挙前から結果がどっちつかずになるのを見越して、政界再編を狙う動きすら見られる。しかしそれも容易ではなかろう。結局、不安定が今後の基本的方向なら、与野党ともせめて臨時国会での諸懸案を巡る論戦において、その政権構想をできる限りの裏付けとともに国民に提示し、国民が今後の選択において意見の収斂に至れるよう諮る義務がある。(おわり)
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