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2008-09-22 00:00
日米金融危機の相違点
四条秀雄
不動産業
米国の金融危機は、日本の金融危機ととてもよく似た様相を呈してきました。しかし、2つの点において違いがあり、それに注意すべきではないかと思います。私は学者ではないので、経済理論をあまり理解しません。民間の企業人が頼りにしているように、バランスシートの変化を理解や判断の支えにしています。その観点からすると、日本のケースと米国のケースには、つぎの2点の違いがあります。あまり専門家によって指摘されていない観点だと思いますので、あえて申し上げたいと思います。
第1点として、将来の変化に対するバランスシートの適応力の温存の形が、含み資産であるか、保険であるか、の違いがあるということです。日本の場合、含み資産への過信が金融危機に繋がったのに対して、米国の場合は、保険への過信が金融危機に繋がっています。両方共に、バランスシートに適切に表現されていないことから、問題の拡大を許したという共通点があります。また、含み資産は会計制度がドメスティックであった時代の手法であり、保険は会計制度がグローバルになった時代の手法です。グローバル化の過程で、時価会計の普及を通じてあぶりだされた将来変動のリスクは、その管理を米国の金融力に依存するようになりました。
第2点は、今回の米国の金融危機は、基軸通貨国において発生した金融危機だということです。日本の金融危機でも決済機能のマヒが問題になりましたが、米国の危機は基軸通貨国での決済機能をマヒさせるものであり、世界全体に波及する可能性がありました。世界経済全体に占める米国経済の割合は、かつての50%近くから現在は25%近くまで低下していますが、それでもドルが機軸通貨であることは変わっていません。金融の流れも、物流も、さらには人の流れも変化し始めていますが、これからどう変化するのか、注目したいところです。
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