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2008-10-24 00:00
(連載)アメリカ大統領選とテレビ報道の威力(1)
山田 禎介
ジャーナリスト
来月初めと目前に迫った2008年アメリカ大統領選挙だが、ふと大統領女房役である近年の歴代副大統領をながめると、共和党は現「番頭格」のチェイニー氏に至るまで、伝統的に“実業系”を副大統領に選ぶ伝統があることに気が付いた。共和党政権の副大統領には、明らかに大統領とは異なるキャラクターが求められている。チェイニー副大統領から順に過去にさかのぼると、アルファベットのスペルも一部怪しかったとかいうクェール、のちの大統領職よりは若い頃石油商人で大活躍のパパ・ブッシュ、同じく正統石油系ロックフェラー、さらなる前には、のちの大統領で“体育会系”フォードという各氏が並ぶ。極めつけには、そのフォード氏にバトンを渡したニクソン政権のアグニュー副大統領がいた。
このアグニュー氏は金銭スキャンダルが明るみに出て、親方ニクソンによる「泣いて馬しょくを斬る」かたちで、副大統領任期中の辞任となった。この事件では「バッド・ニュース、アグ(醜い?)ニュース」という造語すら出来た。ニクソン親方もまたウォーターゲート事件という大スキャンダルを巻き起こし、アメリカ大統領の栄光の歴史に汚点を残した。一方、対する民主党には地球温暖化に警鐘を打ち鳴らし、ノーベル賞にも輝いたゴア氏を先頭に“理性、知性派”を良しとする気風があるようにみえるのは、都市インテリ層に支持者が多い政党のせいだろうか。
いうまでもなく近年のアメリカ大統領選挙は、早くからテレビが大舞台。すでに1960年選挙時点で、明るくハンサムな民主党のケネディが陰気なイメージの共和党のニクソンに勝利した。アメリカ大統領選挙でテレビ映りが勝敗の決め手になることは、あまりにも有名だ。またケネディ、ニクソン両者のテレビ討論の映像はアラスカを含め、東西5000キロを超える国土のアメリカ市民すべてと海外在住者に、大統領候補のイメージを直接焼き付け、さらには市民の政治参加を促した。それから半世紀経ち、テレビはいまや一国をカバーするのではなく、全世界の政治、社会、自然現象をリアルタイムで結んで、久しいものになっている。日本国内メディアも、サブプライム問題に端を発するグローバルな経済不安の余波や国会解散含みの国内政局の動きがなければ、絵になるアメリカ大統領選をいま以上に、もっともっと大きく伝えているはずだ。
その証拠に、つい最近まで初のアフリカ系大統領誕生か否かと、民主党大統領候補指名争いのオバマ、ヒラリー両上院議員の動静を、まるで我がことのように話題にしていたのが、日本メディアだった。こうしてテレビの伝える、かの地のリアルタイム情報は、時差の壁が大きく災いした、日米の過去には考えられなかったことだ。かつてはあくまで遠い世界のものだった大リーグ野球にも日本人選手が多く登場、またテレビ映像の手に取るような臨場感に、はるか太平洋を越えた地のファンも興奮に包まれる。アメリカに足を記さなければ入手できなかった研究家や専門家の各種の情報も、今回は日本の一般市民ですら知るところになり、この他国の巷でさえ、オバマ、マケイン両陣営内部事情が話題になる。(つづく)
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