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2008-11-16 00:00
(連載)あるアラブ人がオバマを支持する理由(1)
本条 有樹
研究員
11月7日、BBCのアラビア語テレビ放送で、あるアラブ人ジャーナリストがインタビューに応えて、つぎのように述べている(「MEMRI緊急報告シリーズ : No.2113」)。その発言内容があまりにも強烈であるので、以下に紹介したい。発言者のアブド・アルバリ・アトワン(Abd Al-Bari 'Atwan)氏は1950年、ガザ地区のパレスチナ難民キャンプで生まれた生粋のパレスチナ人である。カイロ大学に学び、アラブ諸国で新聞社に勤務した後、渡英し、現在ロンドンでアラビア語新聞『Al-Quds Al-Arabi』の編集長を務めている。彼の名前を一躍有名にしたのは1996年、ジャーナリストとして初めてアルカイーダの首領オサマ・ビン・ラディンとのインタビューを実現したことである。
パレスチナ難民から出発した彼が反イスラエルの立場に徹していることは言うまでもないが、そのかれが以下に紹介するような発言をしていることに、私は文字通り仰天したのである。とかくわれわれはアラブ世界の言論に既成観念をもっているが、それを打ち砕くような衝撃的な発言であった。アトワン氏は、オバマ大統領候補の当選の報を聞いて、「今日、オバマを支持することは我々の権利である。しかしそれは彼の父親が『フセイン』と呼ばれたからでも、彼が黒人であるからでも、ましてや彼がムスリムの出自であるからでもない。すなわち、彼が屈辱への反乱を起こしたからである」と述べている。かれがオバマを支持する理由とは何か。まずは、それに耳を傾けてみよう。
「アメリカで黒人大統領が選出された時、偶然ながらブーテフリカ大統領がアルジェリアの憲法を改定しました。今や終身大統領の身分です。何というパラドックスでしょうか。アメリカでは、政権交代が平和的手段でおこなわれるのみならず、黒人が大統領に選ばれるのです。社会の最下層からトップへのぼりつめたのです。オバマがアラブの国、例えばサウジアラビアや湾岸諸国のどこかに居るならば、(外国人労働者同様)保証人を必要としたでしょう。如何なる状況下でも、たとい死んでも、彼等は市民権を与えません。『お前は奴隷だ。お前には保証人が必要だ』とか『お前はケニア出身だ。どこの馬の骨か判らんからな』と言うのです。(つづく)
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