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2008-11-20 00:00
大学の民営化を進めよ
森 浩晴
団体職員・大学講師
国公立大学が独立行政法人化の途上にあり、騒動も収斂の方向にあります。しかし、図書館(社会教育)の指定管理者制度、下水道(公共インフラ・公衆衛生)のPFIなどの「民営化」に比して、まだまだ「教育は聖域」の感は否めません。憲法上、初等教育や今では中等教育も広義の「義務教育」であり、ここには競争原理は馴染みません。つまり、小学校~中学校(高等学校)には定員割れの是非は無く、私学助成も必要であると愚考致します。
しかし、高等教育はいかがなものでありましょうか。この10年、文部(科学)省の錦の御旗の下、大学数、学部・学科数は激増し、収容定員は倍増しております。とうの昔に「全入時代」が到来し、私学や一部の旧国立大学の定員割れが常態化しております。しかし大学経営側や一部旧態依然の教職員は「高等教育は研究こそ大事。公費補填は自明。学生獲得競争なぞ論の外」と旧来の姿勢を崩していません。一番の被害者は誰でありましょうか。それは、高等教育補助金行政や大学の内幕を知らずに、「我が子には労苦させまい」と必死で高額の授業料を資金工面する保護者であり、「大学さえ出れば。大学すら出ていないと...」との思念で通学する学生当人であります。
そこで提言です。(1)大学への助成金・補助金の実態を情報公開せよ。(2)段階的に、こうした公費補填をやめ、真の「民営化」を企図すべし。(3)学校法人は、最早「聖域」では無い。逆に収益を上げている学校には、課税して社会還元させるべし。以上です。一朝一夕には無理であっても、こうした方向性を示さねば、昔からの大学人は「温室的考え方」を改めることは無いでしょうし、今後苛烈する国際競争に伍していけないものと憂慮する次第であります。
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