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2008-11-28 00:00
「世界の潮流」を根拠としてそこまでいえるのだろうか
玉木 洋
大学教授
吉田康彦先生の本欄への11月21日付け投稿「死刑廃止は世界の潮流」について、一言コメントを述べたい。吉田先生に申し上げるのは釈迦に説法だが、世界各国にはそれぞれの事情がある。また、これも釈迦に説法だが、国際的に多数の国家が採用する方式であるからといって、そのことを理由に当然に他の国がその同様の方式を採用することが義務付けられるということはない。
そして、我が国の法律においては法務大臣は死刑の執行を義務付けられている。このような状況において、「法相在任中、次々に死刑執行を承認した鳩山邦夫・現総務相などは、それだけで『世界の常識』からすれば、罷免に値する行為なのだ」ということは、言えないのではなかろうか。むしろ逆に、法律に違反して死刑の執行を行わなかった法務大臣が罷免に値する、という議論はあり得る。この「罷免に値する」とのご見解は、吉田先生の独自の見解として承っておきたい。
また、吉田先生の文章のタイトルにある「世界の潮流」ということであるが、世界の潮流(世界の多数派の動向)であれば正しいとか、それを採用すべきということは、当然には言えない。それは正しい場合もあれば、誤っている場合もある。死刑存廃を議論するなら、死刑を廃止する理由、存続する理由を事実と論理に基づいて分析し、冷静に議論すべきであろう。
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