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2009-01-13 00:00
内容空疎だった麻生訪韓
吉田 康彦
大阪経済法科大学客員教授
読売・朝日・共同通信・JNN(TBS系)の最新の世論調査(1月10~11日に実施)によれば、麻生内閣支持率の下落傾向は止まらず、20%ないしそれ以下に低迷しており、国民の麻生離れは決定的になった。そうした中で、首相は1月11~12日訪韓し、李明博大統領との蜜月関係を強調したが、同行記者によると、韓国政界の関心はすでにポスト麻生の日本の次期政権に移っているという。内容空疎な訪韓だったと言わざるを得ない。
とくに北朝鮮の核問題解決について6者協議の活用と日米韓の協力推進を再確認したというのは、何の新味もない。拉致問題解決のために韓国の協力を求め、李大統領も理解を示したというのも、全く無意味だ。李大統領にすれば、耳にタコができるほど聞かされてきたセリフであり、麻生首相は、頼む相手を間違えたといわざるを得ない。
南北関係は冷戦期に逆戻りしたように冷却化しており、政府間対話は完全に遮断されてしまっている。金剛山観光事業は中止、開城公団は細々と「現代」グループの手で継続しているだけで、韓国政府職員は全員追放された。南北鉄道輸送も中断。韓国NGOが風船を北に飛ばして、金正日総書記の病状や私生活を暴露するチラシを散布したことが直接の原因だが、背景には、李明博氏が大統領就任前から採算を度外視した南北協力に否定的で、金大中・盧武鉉両政権を「失われた10年」と表現したことがある。「非核・開放・3000」(核を廃棄し、市場を開放すれば、北の国民所得を年間3000ドルに引き上げてやる)という李構想にも、北は内政干渉として強く反発した。
平壌との対話のルートを失った日韓両国首脳が核や拉致の解決で協力するというのは、実際に何をどうしようというのか。北の対日・対韓分断作戦に対抗するというが、平壌指導部の念頭には米国しかないというのが、過去9回に及ぶ私の訪朝体験で直接確認しているところだ。北朝鮮にとっては、1にアメリカ、2にアメリカ、3、4がなくて5が中国、なのである。拉致問題では、自力で日朝対話を再開し、直接交渉すべきだが、他国に頼むとすれば、やはり米国しかないのだ。
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