ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
2009-04-07 07:56
都議選との「ダブル選挙」説を探る
杉浦正章
政治評論家
まだ解散時期についての特定は困難だが、先週末の北ミサイル打ち上げのどさくさに紛れるように「6月3日解散・7月12日投開票」説が政府・自民党首脳の間でささやかれた。これを察知した公明党幹部らが「都議選とのダブル選挙になる」として相次いで反対を表明した。しかし「7月12日投開票」なら首相・麻生太郎の切望するサミット出席も可能。何でもあり政局だから、可能性を探っておく必要がある。小生は、公明党が突然「東京都議選と重なるのは望ましくない」(代表・大田昭宏、3日)とか、「(東京都議選と)同じ時期か、接した時期にやると、与党の力を十分に発揮できない」(政調会長・山口那津男、4日)と言い出したのに、首をかしげていた。
誰もダブル選挙を主張していないのに、どうしてかと思った。ところが自民党筋によると、まだマスコミが気づいていない情報があったのだ。しかるべき筋が「会期末6月3日解散で、7月12日投票があり得る」との情報を流したのだ。たしかに「3日解散」なら憲法第54条でさだめられた解散の日から40日以内の総選挙に「12日」がぎりぎりで合致する。投票日は6月28日か、7月5日か、7月12日となる。しかしサミットが7月7日からだから、麻生の出席を考慮すると、7月12日となるわけだ。衆院選告示中にサミットが行われた例は、1993年7月の東京サミットの例があるが、首相・宮沢喜一は大敗している。
奇妙なことに、首相周辺もこれを否定する発言をしていない。行政改革担当相・甘利明は「首相は補正予算を仕上げて信を問うという思いと、国際舞台で『世界の麻生』をアピールして信を問いたいという間で揺れている」と述べているが、「6月3日解散・7月12日投票」はその両方を満たすことができるのだ。選対副委員長・菅義偉も、9月の任期満了選挙の可能性については、「それは分からない。解散時期はまさに首相が判断する。常在戦場だ」と微妙にはぐらかしている。麻生に至っては3月6日、会場がどよめくどっきり発言。「近々行われるであろう総選挙」と発言したのだ。問題は公明党の出方だ。公明党が反対する理由に、まことしやかに住民票移動があげられるが、これは事実かどうか分からない。確かな理由は、自民党の応援がなければ大田が落選しかねないのと、全国からの応援を都議選に集められなくなる点だ。
国会がどうなるかも、解散展望の重要要素だが、麻生は5月の会期末は補正予算成立を最優先とし、野党が徹底抵抗すれば、不成立でも解散だし、審議に応ずれば話し合い解散の可能性もある。衆院で不信任案を否決、参院で問責決議案が可決され、解散もあり得る。会期延長も考えられるが、日程がきつくて大幅延長はやりにくい。そこから会期末解散で突っ走る構想が出て来たのだろう。公明党無視になるが、大田への応援を確保するなど、手段はないわけではない。いずれにせよ最終日解散に“もつれ込む”可能性もあるが、まだ解散選択肢のワン・オブ・ゼムだろう。
>>>この投稿にコメントする
修正する
投稿履歴
一覧へ戻る
総論稿数:5593本
公益財団法人
日本国際フォーラム