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2006-05-21 11:58
結論に違和感を感ずるのです
山下 弘
行政書士
このたび日本国際フォーラムから発表された政策提言「国際エネルギー安全保障体制の構築」について一言感想を述べさせてもらいます。提言作成に関わられた3人の識者の発言が、5月19日付け読売新聞の座談会記事に取り上げられておりますので、主としてそれに基づいて感想を述べます。
内藤正久日本エネルギー経済研究所理事長が「9・11テロ事件を機に安全保障意識が高まり、石油は市況商品から戦略商品になった」、伊藤日本国際フォーラム理事長が「中国が世界各地で市場原理になじまないやり方で強引に石油を集めているのが問題」とそれぞれに述べておられる現状認識には、やはりそうであったのかと同感を禁じ得ません。
それだけにその結論に違和感を感ずるのです。それならなぜ「日本も中国に対抗して、同じような対抗措置を取り、同じような国家戦略を策定せよ」ということにならないのか。逆に「日本と中国がウインウイン(共に勝つ)の関係で最終的には『東アジア・エネルギー環境共同体』を創設することが大事」(伊藤氏)などという結論になるのか。
百歩譲っても、日本が「ウインウインの関係を望んでも、中国がそれを望まなければどうするのか」という点への論及を欠いたのは、画龍点晴を欠いたのではないでしょうか。エネルギー問題の専門家でもない市井の一市民の素朴な感想ですが、最近の中国を見ていると「自分の国さえよければそれでよい」という一国繁栄主義があまりにも目にあまり、このような感想を持ちました。
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