鳩山総理が辞任を表明した。普天間問題による社民党の離脱が命取りになった。しかし福島氏の罷免は、総理が最後に実行したほぼ唯一の正しい決断であったと思う。先日沖縄へ行き、基地の多さに驚くとともに、沖縄の人々の気持ちを多少なりとも理解できた。鳩山氏は、純粋な気持ちで本件に取り組んだことは間違いないが、それにしても驚くべき政治音痴、認識不足である。退陣後の巷の声で「もう少しがんばって欲しい」というのが、若い人を中心として多かったように思う。そのことに誇りを持って、政治の表舞台から去って欲しい。小鳩辞任は、同時に「国民のためでなく、選挙に勝つための政治」が崩壊したことを意味する。民主党はもって瞑すべきである。

　社民党は、これで細川政権、自社政権に次ぐ３度目の政権離脱である。「やはり野に置け、蓮華草」だった。冷戦時代の遺物で、存在意義を失った党が、政権内にいることによって、日本の将来を危うくしてきたのであるから、離脱は大英断である。参議院選挙を以て政治の場から消えて行って欲しい。総理の指示を聞けないのなら、辞任すべきで、それを居直って、罷免され、英雄気取りでいる心理は、どうしても分からない。社民党の言う「基地は国外へ」は、「日米安保条約破棄」といっているのに等しい。喜ぶのは、中国もさることながら、北朝鮮である。同党と北朝鮮の親密な関係はつとに有名であるが、野党にいれば影響は少ない。しかし、政権内にいるとなれば、別問題である。出て行ってもらって、本当に良かった。

　選挙だが、これで民主党は、少しは持ち直すであろう。しかし、願わくば、与党過半数割れとなり、苦労しながら政治を行うことを、学んでいって欲しい。鳩山後任は菅氏になった。瞬間湯沸かし器がどのような政治を行うか、見ものである。組合依存や、ばら撒きはやめ、まじめに国のための政治をやって欲しい。次期総選挙までは、この党に政治を託さねばならぬのだから。

さて、自民党だが、いっこうに人気が沸かない。当然であろう。これから何をするのかわからない党だ。国民は、時計の針が逆戻りするのを望んでいない。世界的に見ても、下野した党は、若返り、新機軸を出していくことが、成功につながっている。昔の名前ばかり出てきたのでは、全く新味がない。この際、ベテランはしばらく静養してもらっては、どうであろう。