2010年3月12日に放映されたNHKテレビの「日本のこれから」という番組では「日米同盟と日本の安全保障」がテーマになった。その中で保守派論客の櫻井よし子氏は「中国の脅威に対処するためには、かつてソ連に対して行なったように、日米同盟を強化することが必要だ」と主張した。これに対して、東京大学の姜尚中教授は「今日の中国は、かつてのソ連よりも、はるかにグローバル経済に組み込まれているので、中国は日本への脅威にはならない」と反論した。しかし、ウクライナがロシアに屈従したように、日本も中国に屈従することにならないとは、どうして断言できるのだろうか。ブルッキングス研究所のロバート・ケーガン上級研究員が『The Return of History and the End of Dreams』という著書の中で指摘した「グローバルな基本構造」は、全く姜尚中教授の念頭に置かれていない。日本がこれ以上の叩頭を続ければ、全世界の専制国家を勢いづかせてしまう。