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2010-11-12 14:23
ノーベル平和賞授賞式への日本政府関係者の出席はあるか?
角田 勝彦
団体役員
神戸の海上保安官による尖閣映像流出は、「天に口無し、人を以て言わしむ」と言わないまでも、「隠すより現る」の好例だろう。11月11日の定例会見で中国外務省の洪磊・副報道局長は「関連の報道を注視している」と述べ、暗に11月13・14日横浜でのAPEC首脳会議に出席する胡錦濤国家主席と菅直人首相の会談実現に向けた雰囲気づくりに日本政府が努めるよう求めたが、日本における言論・報道の自由については、中国ももう良く承知しているはずである。
洪磊副局長が「中国側は、いわゆるビデオ問題が中日関係を妨げ続けることを望まない」と述べたように、未定の日中首脳会談実現の見通しは、これにより大きな影響を受けていない。仙谷長官の意図するような海上保安官の逮捕・起訴が、それまでに実現しなくても、同じだろう。また映像は、中国の動画サイトにも転載され、巡視船が漁船に命令するシーンは先方の民族感情を刺激したものの、反日デモなどにはつながっていない。日本でも11月6日午後、4500人が抗議デモで中国に怒りを示したが、混乱はなかった。
それより中国が関心を持っているのは、12月10日オスロで行われる中国の民主活動家・劉暁波氏に対するノーベル平和賞授賞式への日本政府関係者の出席如何ではあるまいか。11月4日APは、中国政府が各国に出席を見合わせるよう圧力をかけていると報じたが、前原外相は9日の衆院予算委員会で、「日本政府関係者の出席を控えるように」と中国政府から要請があったことを明らかにした。前原外相は、「対応は、適切に判断したい」とのみ述べた。
日本が、少数独裁の中国と違う人権を尊重する民主主義国家で、不当な圧力に屈しないことを示す一つのケースとして、政府の対応が注目されるところである。
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