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2011-03-28 04:44
首都を京都に移そう
吉田 重信
中国研究家
3月23日の本覧に掲載された所論において、私は、震災後の国つくりの一環として首都を西日本のどこかに移転することを提案した。しかし、その後さらに検討した結果、ずばり、「西京」、つまり京都への「帰都」を提案したい。
歴史的にみれば、鎌倉時代以降、日本の政治権力は、武家勢力に移ったが、天皇は権力を喪失しながらも、京都にとどまった。したがって、かつての日本は、「二都制」であったといえる。しかし、明治維新という「王政復古」により、首都は徳川幕府の居所であった江戸(東京)に移された。今回の震災は、結局「東北・関東大震災」と名付けられたように、関東の中心である東京が首都として安全対策上適当ではないことを明らかにした。東京にある各国大使館の一部は、すでに機能を東京以外の地に移すか、移す検討をはじめているといわれている。
今後、予想される東北被災地からの人口移動により、「東京一極集中化」がさらに加速されることは安全対策上極めて危険である。したがって、京都を首都とし、政府、国会、天皇の居所などをここに移し、東京はもっぱら金融を中心とする経済情報都市とすることを提案する。政治都市としての京都は、歴史的伝統にかなうのみならず、立地条件、インフラ条件(美しい御所や離宮もあり、天皇家は明日にでも引っ越しが可能である)などの点で、他地域に比べても群を抜いて優れている。
京都への帰都は、「雅やかさ」を演出し、「平和文化国家」としての日本のイメージを高めることは間違いない。このような「二都制」は、米国(ワシントンとニューヨーク)と中国(北京と上海)をはじめ、オーストラリア、カナダ、オランダなど、例が多い。わが政府と国民の大きな発想の転換さえあれば、京都への再遷都は実現するだろう。
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