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2011-09-06 01:00
許せない一川防衛相の「素人云々」発言
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアン・コントロールだ」という一川防衛相の発言には仰天しました。我が国の国防・安全保障を素人の方にお任せする不安に襲われます。同氏は更におっしゃいました。「あらゆる分野で国民感覚、一種の素人的な感覚で、しっかり対応したい」と。これはひどい発言だと思います。かつて、民主党の鳩山元総理も「抑止力というものを知らなかった」と、馬鹿なことをおっしゃいましたが、これと同類です。
我が国の安全保障問題を、こんな方々に任せておいて、大丈夫なのでしょうか。日米安保条約に関して米国のトップと話ができるのでしょうか。防衛大臣がこんな人で、果たして米国国防長官がまともな話をしてくれるのでしょうか。私がクリントン国務長官や、米国の国防長官の立場であったら、日本のこんな防衛相を相手にはしません。防衛相がこんな調子では、対等な立場での日米安保条約がいつまでたっても成り立つわけがありません。まして、軍備拡大する中国軍をけん制するための中国国防相と平和交流が出来るのでしょうか。この人の言う「国民感覚」とは、政治家が何事も不勉強、無経験の素人であることをごまかす詭弁のように聞こえます。
国民は、国防や、安全保障に関して素人かもしれませんが、プロのスポーツ選手に対して、誰が上手いか、誰が一流か、誰が勝ちそうか、といった評価は出来ます。それと同じで、国民は、政治においてもプレーヤーである政治家の評価はできます。それがアマのプレーと同じプレーでは、見ていられません。素人である国民が「誰が良い政治を行うか」の評価をするのです。それが、政治家は素人で、大臣という権限だけを持つというのであれば、国民はむしろ政治に危険を感じます。「何とかに刃物」です。国の安全保障などを考えたこともない人が次々現れることに驚き、そういう人が防衛大臣の任命を辞退せずに、喜んで受けることにあきれています。
政治家は、自分の無知無能を棚に上げて、「国民感覚」などと国民のせいにしないでください。国民は怒りますよ。国防や安全保障に全くの素人ではありますが、私の理解するシビリアン・コントロールとは、自衛隊を国が責任を持つべき国家・国民の安全を守るための実働部隊として扱い、常時実効性の伴う充実した組織として維持し、いつどのような非常事態が起こっても直ちに対応できる即応体制にしておくことだと考えます。政府を無視して暴走し、満州事変を起こした戦前の関東軍などとは異なり、国民が選んだ政府が統帥権を持つのが自衛隊です。決して国民の信頼を裏切らない活動をするためのコントロール・システムがシビリアン・コントロールだと理解しています。
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