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2012-04-13 23:17
若年世代の危機感を、われわれは本当にわかっているのか?
河東 哲夫
元外交官
これまでも、日本人は外国に出ると言葉はできないし、外国人との付き合い方もよく知らないので、その能力は低く見られがちだった。だが日本の経済が強い間は、それでも皆、日本人を立ててくれた。
ところが今は、たとえば僕が大学で教えている若手会社員などは、もう大きな日本を背負っていない。学校での英語の教え方が悪いから、英語の力が足りない。大多数は、致命的なほどに足りない。2年間は留学しないと、使い物になる英語は習得できない。
資金力にまかせて外国企業を買収しても、日本本社の重要性は下がるばかりで、取締役も半分は外国人になってしまう、日本の企業でありながら日本人社員が不要になっていく--という悪夢のような危機感は、僕の若い時代には想像さえできなかったものだ。
皆、悲鳴をあげて日本の政治家に何とかしてもらいたいと言っている。だが、政治家にもできることとできないこと、そして手を出してはいけない領域がある。政治と行政は法制や予算を整えることができるだけで、実際の仕事は企業、個人にやってもらうしかないのだ。
何なのだろう、これは。幕末の黒船は日本の支配層にだけ関係するものだった。今のはさしずめ、バイキングが海岸に船で乗り付けて村人たち全員を切り殺すとか奴隷にするとか、そういう感じか?でも、強い日本企業もあって、こちらの方は外国に黒船として出かけて行っているのだ。日本社会の実相はなかなかわからない。
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