ひとつは、日銀法第2条には「第二条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」と書いてあって、重点は物価の安定にあるということだ。そこに行くと、金融緩和の「お手本」として識者がほめそやすアメリカの連銀は、雇用を最大限に確保することをその任務の第一として課されている。Federal Reserve ActのSection 2Aは、金融政策の目的としてこう言う。“The Board of Governors of the Federal Reserve System and the Federal Open Market Committee shall maintain long run growth of the monetary and credit aggregates commensurate with the economy’s long run potential to increase production, so as to promote effectively the goals of maximum employment, stable prices, and moderate long-term interest rates.”