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2012-11-11 00:56
「財政赤字で米軍も終わり」は、虚報!
河東 哲夫
元外交官
大統領選の終わった米国では、これから「財政の崖」に向けて大統領と議会のバトルが始まる。もし財政赤字の削減を実現できないと、米政府の歳出は、有無を言わせず強制的に削減されることになっていて、その中では国防費が9%強、550億ドルも削減されてしまうことが問題となっている。
「もう世界最強の米軍も終わり。あとはサビるだけ」というわけだ。「どうもおかしい。どうせマスコミは大げさに吹いているのだろう」と思って、数字を調べてみると、案の定そうだった。
まず米国の国防予算は、9月11日テロ事件前の2000年に比べると、2012年度予算は70%も多い、約5306億ドルになっている。そしてイラク、アフガニスタンでの戦費はこれとは別枠だ。2013年度の予算では、その戦費別枠分は約500億ドル。
つまり、たとえ予算の強制削減ということになっても、「新しい軍艦も、新しい戦闘機も作れない」という状況にはならない。アメリカの空母が燃料切れで、洋上で漂うということも起こらないだろう。
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