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2012-11-19 16:31

真のグローバル人材とは

船田 元  元経済企画庁長官
 最近の教育界では「グローバル人材」に関する話題が多くなった。世界の中で活動できる人材とか、世界の人々と互角に渡り合える人材のことを言うのだろうが、何故いま取り上げられるのだろう。理由のひとつは、我が国から海外に留学する若者がピーク時から半減し、教育関係者が危機感を抱いたからではないか。もうひとつは、日本の国力が低下し、世界にもっとアピールしないと埋没してしまうのではという、危機感の表れではないか。

 先日栃木県の公立・私立の高校長が集まって、「グローバル人材」の育成について議論をした。各学校からは英語の授業に力を入れているとか、海外への短期留学の制度を設けているとか、少しく自慢話が続いていた。

 ところが中学校長の代表者が、「グローバル人材とは単に英語が堪能なだけでなく、しっかりと自分の意見を持ち、それを世界の人々に伝えられる人ではないか。また出来ることなら、日本の文化や良いところをきちんと話せる人ではないか」と述べられ、場の雰囲気はがらりと変わった。まさに目から鱗が落ちた感がした。居並ぶ高校長の中で、中学校長の発した言葉がこれ程までに重いものかと、感心したり、反省したりの場面となった。

 願うことならば、全国の教育現場でも、国会の会議でも、このような啓蒙的発言が飛び交って欲しいものだ。文科省もこのような観点に立って、教員を指導して欲しいものだ。
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