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2014-01-25 09:03
労働力人口の減少を防ぐために
船田 元
元経済企画庁長官
国力を構成する要素の第一は経済力である。そして、いま日本では、長引いたデフレから脱却して、経済再生を実現すべく、アベノミクスを強力に進めている最中である。しかし、その努力にもかかわらず、経済の足を引っ張っているのは、少子高齢化に伴う人口減少、とりわけ労働力人口の減少である。特に団塊世代の現役からの引退がこれに拍車をかけている。
これに歯止めをかけるためには、先ず引退しようとしている団塊の世代にもう少し頑張ってもらう必要がある。但し、現業としては体力的な問題もあるだろうから、シニア・アドバイザーとして、若年労働者の生産性向上のために、貢献していただく道があると思う。しかし、これは一過性の方策であり、より根本的に問題を解決する方法が必要である。それは、女性労働力の発揮である。例えば、専業主婦が働きに出ても、所得税の配偶者控除を利用出来る限度が年間103万円に設定されているために、その手前で就労を辞めてしまうという制度的問題がある。
また女性の管理職が少ないのは、まだまだ社会的偏見があるためで、これを壊さないと、本当の意味で女性が輝かなくなってしまう。能力のある女性をきちんと評価する仕組みも作る必要がある。更には外国人労働者の活用が課題としてある。かつて外国人研修制度というのがあった。その後は技能実習制度として外国人労働者を受け入れているが、熟練労働者に限られること、職種が限定されること、期間が3年に限られることなど、何かと制約が多い。
もちろん、これらの制約は、国内の労働者の雇用を守ったり、治安を守ったりするために必要な制約ではあった。しかし、今後の労働力人口の減少を考えると、一定の基準は守りつつも、介護や建設関係などの分野で外国人労働者を意識して入れなければ、日本経済が成り立たない情況になりつつあるのではないだろうか。ヨーロッパの幾つかの国では、外国人労働者を上手に使いこなしている。その智慧を我々も学ばなければならない。
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