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2014-05-11 22:54
日中韓の環境協力
船田 元
元経済企画庁長官
我が国と中国、韓国との政治対話は、尖閣諸島、竹島、靖国参拝、従軍慰安婦問題などをめぐり、二重にも三重にも障害が立ちはだかり、なかなか前に進めない。経済活動は別だと言うが、かなりの影響を受けているのも事実だ。特に中国は巨大市場を抱えており、成長に翳りが見えるものの、我が国が経済成長を目指す限りは、ここを外すことは考えられない。一衣帯水の両国とは、何とか未来志向の関係を作らなければならない。
そうした中、この三カ国で久しぶりに、大臣級会合が開かれた。韓国大邱での環境大臣会議である。但し日中、日韓というバイの会談はなく、あくまでマルチの会議だったようだが、冷え込んだ状況の中では、画期的なことだ。
会議のテーマは、各国が悩まされているPM2.5を如何に抑えて行くかである。深刻な大気汚染などの公害問題を克服してきた我が国には、この分野で多くの蓄積がある。私も昨年秋以来、環境省に対して、中国への協力を進めるべきと進言してきたので、今回の協力合意は大変喜ばしい。
ただ問題はこれからで、無限大に広がる汚染源をどうやって潰して行くか、根気のいる長期間の協力体制が不可欠だ。どうやって資金を調達するかも大問題だ。しかしこの困難なミッションを三カ国で取り組もうという姿勢は、少なからず関係改善に役立つはずだと期待している。
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