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2014-05-24 10:49
久しぶりのエルニーニョ現象
船田 元
元経済企画庁長官
気象庁は先日の長期予報で、今年の夏はペルー沖のエルニーニョ現象により、冷夏と長雨が予想されると発表した。「エルニーニョ」とはスペイン語で「男の子」または「神の子」という意味だ。何らかの原因で、太平洋の赤道付近を西に向かって吹いている貿易風が弱まり、太平洋の西側に吹き寄せられていた暖かい海水が、中東部にとどまる。そうすると西太平洋の海水温が低くなって、太平洋高気圧の張り出しが南に偏る。そのため日本は梅雨が長引き、冷夏になるという。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の類いの話だが、気象学的には定説となっているようだ。この現象の反対が、「ラニーニャ(女の子)」と呼ばれる。どちらも可愛らしい名前だが、日本はもとより世界の気象に与える影響は甚大で、各地で干ばつや大雨をもたらす厄介者である。
エルニーニョ現象は数年に一度発生すると言われ、数回に一度は激しさを増すようだ。日本では1993年夏にきついエルニーニョが発生し、8月になっても梅雨が明けず、冷夏と大雨により農産物が獲れず、コメの緊急輸入の騒ぎとなったことを記憶している。
今年のエルニーニョもその時に匹敵する規模と言われており、今からその影響が心配である。特に最近の気象は、30年に一度と言われる異常気象が、日常茶飯事のように発生している。これも地球温暖化の影響なのだろうか。これに輪をかけることのないように願いたい。「備えあれば憂いなし」としたい。
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