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2007-01-08 14:10
憲法第9条改正是非の国民的論議を
角田勝彦
団体役員・元大使
安倍内閣発足から100日が過ぎた。小泉前総理の遺産である衆議院で与党が3分の2を超えた多数議席に支えられての、教育基本法改正、防衛庁の省昇格、地方分権改革推進法成立、国債発行大幅減を含む予算作成などの成果に拘わらず、内閣支持率は、当初の70%強から、中韓電撃訪問に続く一時期を除き減少を続け、最近では45%に急落した。
理由としては、郵政改革造反議員の復党、辞任した複数要人の任命責任、タウンミーティングのやらせ質問などもあげられるが、安倍総理の「顔がみえない」(姿勢をあいまいにしていることと官邸主導がうまくいっていないことを指すと思われる)ことを挙げる者が多い。小泉総理の派手な劇場型政治に比べれば、面白くないのは事実だが、マスコミや一般市民の気に入るような派手さは、むしろ政治の邪道だろう。いずれにせよ真の民意は、春の統一地方選、夏(7月22日?)の参院選で表明されよう。とくに参院選は重視されている。
そこで参院選の争点が問題になる。諸政党の主張が問題になる。間接民主主義の下、諸政党には国政の重要問題について自己の主張を明らかにする責任がある。マニフェストなどもその一環である。選挙を勝つことを第一目的にするのは当然としても、ともかく支持層を広げようと主張を曖昧にすることは許されない。参院選では、来る通常国会での議論を引き継ぎ、格差是正問題(改革継続を含む)とともに憲法改正問題(国民投票法案を含む)が争点になりそうである。安倍総理は、すでに4日の年頭記者会見で、「自分の内閣での憲法改正実現」を参院選の公約として訴える考えを表明し、中川幹事長は、記者団に憲法改正手続きを定める国民投票法案を通常国会で成立させる考えを示した。これまでのところ、民主党は争点にすることを避けているようである(7日のNHK日曜討論でも小沢代表は論じなかった)。
憲法改正は、国民投票を必要条件とする。国会の改正案決定のあと、直接的に国民の意思が問われるのである。中心の第9条については、最近もミサイル防衛(MD)や米軍再編などの実行を巡り、論議が進んでいる。集団的自衛権の議論に決着を付けるためにも、脅威論、核武装論、徴兵論を含め安全保障についての国民的論議を始める時期が来たようである。各党は逃げてはならない。
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