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2014-09-24 14:10
スコットランドの独立回避にあたり思う
船田 元
元経済企画庁長官
去る9月19日、英国からスコットランドを独立させるべきか否かで、注目の住民投票が実施された。結果はご存知のように独立が否決されたが、事前の世論調査では賛成が上回るものも出たくらいで、英国政府も肝を冷やした。もし独立が選択されていたら、英国のみならず、ヨーロッパ全体が大混乱に陥っていたかも知れない。スコットランドにルーツを持つイギリス王室の影響力は衰え、NATOの安全保障政策の見直しも迫られる。イギリス経済の混乱は、EU経済の減速をもたらしたに違いない。
結果は10ポイント以上と、予想外の差がついたが、この結果は、キャメロン首相をはじめとする与野党有力者の必死の説得、エリザベス女王の異例の「慎重な行動」発言もあったが、何よりもイギリスの国力低下による国民生活への悪影響を懸念した国民の安定志向が齎したものではなかったか。
しかし、否決されたからと言って、根本問題が解決したわけではない。スコットランドは、イギリス政府の中央集権的な手法に嫌気をさしていた。地方政策の貧困さにも失望していた。君主制に対する疑問すらあったという指摘もある。
今後キャメロン政権は、スコットランドの声をよく聞き、既に約束した権限移譲や自由度の拡大について、真摯に対応しなければなるまい。これはイギリスに限ったことではなく、地方創生を目指す安倍政権にとっても、他山の石としなければならない。
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