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2014-12-02 06:14
自公で、266の絶対多数議席維持か
杉浦 正章
政治評論家
比例区投票先調査から見る限り、衆院選挙自民党独走の流れが生じている。全社出そろった同調査結果を自民圧勝の2012年のケースと比べると、自民党への投票が倍増または倍増近くなっている。選挙の焦点も「景気・雇用」重視の傾向が強く、首相・安倍晋三の「アベノミクスの流れを進めるか止めるかの選挙」という訴えがかなり利いている感じが濃厚だ。過去2回にわたって政権を交代させた「風」は吹きそうもなく、風なき選挙の争点がアベノミクス論争となった。投票率も下がりそうだが、これは組織政党としての自民にプラスに作用する。野党の候補擁立調整が進んで、自公で326の現有議席は減らしそうだが、自公が狙う合わせて266議席の絶対多数は達成できる公算が出てきている。したがって政権交代はまずあり得ないというのが潮流だ。注目すべきは国民の関心が経済に集中する傾向を見せ、野党や一部マスコミが狙う集団的自衛権の法制化や原発再稼働を争点化する狙いは空回りしている。朝日の調査では有権者の重視するポイントは「景気・雇用対策」が47%で最も多く、「原発再稼働」は下位の15%、「集団的自衛権の行使容認」は12%だった。
「景気・雇用対策」と答えた人の比例区投票先は自民が43%で、12%の民主などを引き離した。最大のポイントは集団的自衛権行使容認を「評価しない」とした人や原発再稼働に「反対」の人でも、比例区投票先は「自民」が最も多かったことだ。読売の調査でも安倍内閣の経済政策を「評価しない」と答えた人のうち、比例選で自民党に投票すると答えた人は18%で、民主党の23%と小差である。また、安倍首相の衆院解散を評価しない人の30%が投票先を自民党としており、民主党とした人の17%を引き離している。この結果はアベノミクスの評価、とりわけ「景気・雇用」の動向が投票行動につながる流れを意味している。そしてそのアベノミクスの評価は朝日で「成功だ」が37%で、「失敗だ」の30%より多かった。この傾向は安倍の「雇用100万人増加、賃金も上昇している」という訴えが利いて、評価と言うより期待感が生じていることを物語っている。つまり、この流れを推し進めて欲しいとの選択であろう。逆に民主党代表・海江田万里の「雇用が増えたと言っても非正規だ」は言いがかりじみて訴求力がない事を意味している。有権者は見るところを見ているのだ。
政権の交代については、毎日の調査で、安倍が衆院選の勝敗ラインとして言及した「自民、公明両党で過半数」について聞いたところ、自公の与党で過半数をとって政権を維持した方が「よいと思う」と答えた人が52%と半数を超えたことだ。自公過半数を望む層の中で「自民党に投票する」は66%、公明党は10%で計76%に上る。選挙民は基本的には政権交代を望んでいない事を意味する。「野党に投票」は計51%どまり。内訳は民主党26%、共産党11%、維新の党10%など。とりわけ注目すべきは読売の調査では、比例区で自民党に投票すると答えた人は41%で、政権を奪還した2012年衆院選の26%など過去3回の同時期の調査に比べて群を抜いて高い。2009年8月の衆院選で圧勝した民主党の42%に匹敵する数値となった。一方、民主党は14%で、政権から転落した2012年と同じ水準だった。「郵政選挙」で大敗を喫した2005年の20%にも達しておらず、党勢の回復傾向はうかがえない。
各社の比例区で自民党への投票も同様の傾向を見せている。朝日が2012年の22%→34%、毎日17%→38%、産経22%→42%、日経23%→35%という数字だ。倍増したのが読売、毎日、産経だが各社も同様の傾向だ。2012年の数字で圧勝したのだから、この数字から見る限り自民党が独走の傾向を強めていることが分かる。まだ小選挙区別の調査結果が出ていないから、即断は出来ないが、通常比例区の投票志向が総選挙の大きな流れを示す傾向がある。加えて維新など第3極への風が、ぱたりと吹かなくなった。これは国民が浮ついてなく、それだけ投票を生活に結びつけて真剣に考えている事の左証であろう。したがって、安倍が勝敗の基準として設定した自公で238議席の過半数は、クリア出来ることは間違いあるまい。むしろ249の安定多数を越えて266の絶対安定多数議席を獲得する流れが生じているのかも知れない。それでも公明党が31議席の現状維持程度と見れば、自民党は60議席程度を失うのだから、やらずもがなの選挙と言うことにはなる。
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