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2007-02-01 12:59
日本そのものの国家ブランドを売り出せ
四条秀雄
不動産業
インドや中国の台頭によって日本の印象は薄くなってしまいましたが、帝国主義が全盛であった戦前はいうまでもなく、戦後の復興期以後もバブル経済の絶頂期までは、日本は欧米世界とは異なった「別の世界」または「歴史の例外」として扱われていました。当時は、黒髪のアジア人の人波が近代的にみえる都市を埋め尽くしている光景が、欧米から訪れた人間の目には奇異に映り、強烈な印象を与えたものです。
しかし、今日ではそうした都市はアジアの至るところに存在し、視覚的存在としての日本が強い印象を残すことはもはやなくなりました。それでも、テキストの分析と解釈を背骨とする欧米の教育システムにとって、日本は豊富にテキストを生産し続ける大きな対象であり続けています。そのため日本への関心は原宿のゴスロリであるとか、秋葉原のオタクであるとかの、より細部のサブカルチャーなどに向かうことになりました。
外務省は、麻生大臣という特異なキャラクターを得て、こうしたカルチャーをソフト・パワー論と結びつけての売り込みを企画していますが、とても良い事だと思います。そしてできるなら、これをもっと大戦略に仕立て上げて、日本そのものを「別の惑星」としてブランド化してはどうかと思います。旅行業界は、日本旅行を「別の惑星」への旅行として宣伝してはどうでしょうか?新しくできた国立美術館などは、欧米の日本文化研究者の協力を得て、「テキストとしての日本」の分析と解釈の対象に仕立て上げるのです。世界文化遺産として300年の平和と自己完結した経済を維持した江戸時代を登録申請し、世界中の教科書に載せるぐらいの目標を立てるべきでしょう。
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