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2015-04-21 14:59
世界で一番危険な基地
船田 元
衆議院議員
先日は沖縄県の自民党組織が主催した、憲法に関する勉強会に、講師として招待された。世界で一番危険な基地と言われる普天間基地のある宜野湾市での勉強会であり、しかも基地のすぐ隣の会場だった。普天間基地の早期返還と辺野古への移転について、意見を異にする安倍総理と翁長沖縄県知事との会談がようやく実現した翌日でもあり、現地では騒然とした雰囲気かと覚悟していたのだが、街も人々も意外に冷静だった。自民党の会合とはいえ、憲法改正と言えばナーバスになる地域かとも覚悟したが、これまた講演を静かに聞いていただいた。
普天間基地周辺を車で視察したが、やはり基地の周りに民家や店舗が迫っており、確かに返還が急がれることが納得出来る。この一点においては政府も知事も意見の相違はないが、問題はその移転先を名護市辺野古にあるキャンプ・シュワブに建設しようとすることである。自民党政権においては、普天間の代替の議論が始まった橋本内閣以来、実に10数年をかけて、候補地を選定してきた。その際はまさに「県外」の可能性も追求したと記憶するが、やはりアメリカ海兵隊などの運用面から、県内に候補地を求めるしか方法はなかった。辺野古に決まりつつあった時も、滑走路延長線上に民家があり、これを避けるために、V字型滑走路というウルトラCのアイディアまで生まれた。
ところが政権が民主党に移り、鳩山由紀夫総理が何の見通しもなく、代替地を「国外、少なくとも県外」と唐突に発言したため、慎重に進めてきたシナリオが狂ってしまった。返すがえすも残念で仕方がない。このボタンのかけ違いを修復するには相当な時間を要するが、政府も沖縄県側も冷静にそして丁寧に話し合う場を作ることが望まれる。
そして私たちは沖縄が蒙っている過重な基地負担に思いを致し、沖縄だけの問題として片付けるのではなく、日本人全体として受け止める姿勢を持つことや、皆で気持ちを共有することが大切であることは論を俟たない。
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