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2015-08-25 06:09
なぜ安倍再選の流れか:自民党総裁選
杉浦 正章
政治評論家
政界予測係からみれば、何で今頃マスコミは「安倍無投票再選」なのかと首を傾げる。筆者は4月に「再選確実」、6月には「無投票再選」を書いており、悪いけど圧倒的にリードしている。昔は競争が激しかったが、今の政治記者は「赤信号みんなで渡れば怖くない」というぬるま湯型報道なのであろうか。その首相・安倍晋三の前途に“暗雲?”を垂れ込ませているのが、週刊誌の「安倍健康不安説」だ。8月19日発売の週刊文春が「6月30日夜ホテルで血を吐いた」と報ずれば、日刊ゲンダイやら週刊ポストがやれ嘔吐だ、血へどだ、と書きまくっている。週刊誌報道が「与太」かどうかは、その後に全国紙やNHKが追随するかどうかがポイントだが、全くその気配はない。そもそも週刊誌の報道などというものは、政治記者が自分で書けないか書かない情報を、幾ばくかの謝礼欲しさにリークするケースが多い。本筋情報なら自分で書くが、与太で書けないかと思ったら「こんな情報があるよ」と売り込むのだ。新聞記者は与太を書けば左遷されるが、週刊誌は与太を書けば、書くほど昇進するのであり、この構図は昔から変わらない。安倍事務所が文芸春秋社長の松井清人らに対し、「全く事実無根の内容が含まれている」として、記事の撤回と訂正を求める抗議文を送ったが、こればかりはカエルの面に小便だろう。
そこで筆者は、百聞は一見にしかずとばかりに、8月24日の参院予算委における安倍の質疑応答ぶりをつぶさに観察した。安倍は風邪を引いたのか鼻声で時々咳をしてをり、若干疲れている感じを受けたが、きびきびと席を立つ姿からは重病の症状など感じられない。答弁も質量共に十分であった。福島みずほが70年談話で「女スズメバチ」のごとく金切り声を上げて安倍に迫ったが、安倍は殺虫剤「アース」を吹き付けて寄せ付けなかった。永田町では古来首相の病気ほど面白いものは無い。筆者は超特ダネを田中角栄からもらったが、「厳重オフレコだ」と言われたから書かなかった。それはある晩池田勇人が盟友である田中と痛飲した際に、池田は自分の手のひらに「カッ!」と血痰を吐き、「角さんもう駄目だ」と、のどの癌にかかっていることを打ち明けたのだ。まもなく池田は「前癌症状」で東大病院に入院して、政権を去った。それでは安倍の盟友は何と言っているかだが「杉さん、馬鹿馬鹿しくてコメントもできないよ」だそうだ。
それでは総裁選に戻るが、なぜ安倍が独走状態にあるかだが、まず最初に指摘したいのは、公平に見て安倍が長年政治の劣化に苦しんできた日本という国がやっと得た、卓越した首相であるということだ。そしてこの認識は自民党の大多数に存在しているのだ。とりわけ1年で交代した民主党政権の鳩山由紀夫や菅直人の体たらくを見せつけられて、それこそ「反吐」が出る思いがまだ自民党内に残っているのだ。鳩山に到っては韓国で“抗日”の象徴の記念碑の前でぬかずいたが、これは1970年にドイツ首相・ブラントがワルシャワでひざまずいたのを「猿まね」したに過ぎない。こういうみっともない元首相を見ていれば、安倍がよく見えるのは当然だ。また国政選挙で連続3度圧勝した首相は過去にいない。加えて外交安全保障と経済の両面において安倍が誰が見ても手腕を発揮していることは否定出来ない。外交・安保ではアメリカ議会でのスタンディングオーベーションの数が全てを物語っている。アベノミクスについて蓮舫が国会で安倍に面と向かって「アベノミクスは失敗」と 「宮本武蔵」に出でくるお杉婆のごとく毒針を吹いたが、全く失敗していない。民主党政権下での雇用倍率、失業率と比べてみるがよい。毒針は蓮舫の経済知識の無さを露呈しただけだ。中国のバブルが弾けて、その影響が株価に出ているが、世界同時株安であり、日本だけが影響を受けているわけではない。アベノミクスの真価が問われるのはむしろこれからだ。
過去に無投票再選のケースは多いが、自らの「実力」で無投票再選を勝ち得たのは、中曽根康弘と小泉純一郎だけである。ほかは実力型再選と言うよりも、前任者の任期が満了したことに伴う例が多い。安倍は3人目となる。唯一の問題が前総務会長・野田聖子がどう出るかだ。、今のところ立候補に必要な20人の推薦人は集まっていない。野田は21日、「毎回毎回、立候補を考えてはやめたり、やめさせられたり、いろいろある。今も同じような状況でその延長線上だ」と述べているが、優柔不断を絵に描いたような発言だ。昔の日本の女に多いケースであり、自分で決断できない。まさに最初から首相失格を露呈してしまっている。発言からは、いまやノーバッジの仕掛け人と化した古賀誠の入れ知恵が垣間見える。つまり「まだ安倍が失敗して票が流れるかもしれんから断念するな」であろう。だから決断できないのだ。こうして紛れもなく安倍長期政権が見える状態だが、安倍は張り切りすぎるから不安が残る。歴代首相で外交内政に渡りこれだけ活動的な首相は見たことがない。牛若丸ではないが、ここと思えばまたあちらだ。問題はこのペースを長期に維持出来るかどうかだ。佐藤栄作の名秘書官・楠田實に筆者は可愛がってもらったが、あるとき「秘書の仕事はいかに来客をさばくかが最も重要だ。俺は悪者になるのを承知で佐藤との面会者を絞っている」と述べていた。安倍の首相動静を見ると、こんなのとまで会うかと言う例が多い。来客は官邸にうじゃうじゃいる「政府高官」に委ねて、安倍にものを考える時間を作ることが、国のためにも本人のためにも不可欠だ。
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