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2015-10-02 12:37
フォルクスワーゲンの不正から学ぶべきこと
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
ドイツの超優良企業で、世界の3大自動車メーカーの一つであるフォルクスワーゲンが、信じられないような不正を働いてきたことが発覚した。ディーゼル車の排気ガス規制をすり抜けるため、検査の時だけ排ガスを抑え、通常の運転の時は垂れ流すという車載コンピュータソフトを装備していたという。
アメリカで摘発されたというが、この不正は全世界に広がっているらしい。ディーゼル車の馬力を増すためとはいえ、このような不正がまかり通るとは到底思えない。幸い日本にはフォルクスワーゲンのディーゼル車は輸入されていないため実害はないが、車メーカー全体のイメージダウンは避けられない。実際、株価も不正発覚後は半分以下に下がってしまった。
フォルクスワーゲンは1937年に操業されたが、ヒットラー総統がドイツを強国にしようと躍起になっていた頃で、国策会社という印象が強い。事実、「フォルクスワーゲン」は「国民車」という意味である。第二次大戦後、同社は新たな歩みをはじめ、民間会社として見事に立ち直った。その後お馴染みのアウディやポルシェなどを傘下に入れている。
世界の自動車市場が大変厳しいことは事実である。ここで売り上げを増やすことは至難の技であり、売るためには血の滲むような努力が必要だ。しかし、だからと言って、不正を許してはならない。これだけの大企業、大組織が不正を許してしまったこと、不正を見つけられなかったことは不思議でならない。最近の類似例としては東芝の粉飾決算がある。再発防止のためには、全ての企業がコンプライアンスをもう一度徹底し、外部監査を積極的に導入することが求められる。
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