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2016-09-05 19:00
今こそ「二百十日」の教えを生かせ
船田 元
衆議院議員(自由民主党)
今年前半は台風の発生数が珍しくゼロだったが、7月に入ると一転して、台風ラッシュとなった。自然が帳尻を合わせているのかも知れないが、人間世界にとっては極めて迷惑な話である。8月には台風9号、11号、10号が相次いで関東、東北、北海道に上陸するという異常事態、特に10号は岩手と北海道に大きな被害をもたらした。心からお見舞い申し上げたい。
このような現象の原因は、やはり地球温暖化によるところが大きいのだろう。温暖化によって広範囲にわたり海水温が上昇し、それが台風の発生や成長を後押ししているからだ。台風10号も迷走の末、海水温の高いところを進んで発達し、勢力を温存したまま上陸しているのだからたまらない。
岩手県岩泉町のグループホームで、9人ものお年寄りが犠牲になったが、町長も含めて皆一様に、「まさかこんな状態になるとは夢にも思わなかった」と述べている。従来から水害が比較的少ない地域で、豪雨被害を的確に想像することは、至難の技なのだろう。しかし人の命がかかることであり、これまでの経験が当てはまらない事態を、皆が頭にインプットし、何よりも行政がその先頭に立って、警鐘を鳴らすべきである。
昔から「二百十日」の言い伝えがある。立春から数えて210日目の9月1日前後に、台風襲来のピークがやってくるという教訓だ。今年もまさにそれが当てはまる。気象情報や予報技術が未発達の頃は、この教訓に従って様々な備えをした。台風情報がより詳しくもたらされるようになった昨今こそ、益々その教訓を生かさなければならない。
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